JAXAの新型補給船「HTV-X」ウェブサイト刷新&Twitterアカウント始動
sorae.jp / 2020年4月2日 11時18分
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」は今年5月21日に打ち上げ予定の9号機が最後のミッションとなり、来年度以降のミッションは新型の補給船「HTV-X」に引き継がれる予定です。このHTV-Xを紹介するJAXAのウェブサイトが刷新されると同時に、HTV-Xの公式Twitterアカウントによる情報の発信が4月1日から始まりました。
■ISSへの補給ミッションと延長ミッション、合計2年間の運用が可能2021年度中の技術実証機打ち上げを目指して現在開発が進められているHTV-Xは、国際宇宙ステーション(ISS)への補給を担う無人の補給船で、2009年から運用が始まった「こうのとり」の後継機にあたります。今回刷新されたHTV-Xのウェブサイトでは「こうのとり」から進化した部分をはじめ、HTV-Xの特徴やミッションの概要がまとめられています。
たとえば、HTV-Xは「こうのとり」と同様にISSへの補給ミッションを行ったあと、ISSから分離後も技術実証をはじめとした最長1年半に渡る地球低軌道上での延長ミッションを実施することができます。補給ミッションを含めて2年に渡る長期間の運用を実現させるため、HTV-Xでは左右斜めの方向に展開する太陽電池パドルを装備。季節によらず一定以上の電力が確保できるように工夫されています。
はじめまして!
新型宇宙ステーション補給機 HTV-Xの公式アカウントです。2021年度の打ち上げをめざしてJAXAで現在開発中です。
最新の開発の様子や秘話などを発信していきます🛰 pic.twitter.com/mdzOlXgbTm
— HTV-Xプロジェクト (@HTVX_JAXA) April 1, 2020
また、HTV-Xでは機体の構造を見直したことで、貨物を搭載できる期間が「こうのとり」よりも長くなっています。貨物搭載の最終時刻は打ち上げの24時間前(「こうのとり」では80時間前)に設定されており、従来よりも幅広い生鮮品や実験サンプルの輸送に対応。さらに、機体内部には宇宙飛行士の通り抜けを想定した直径1m以上の円筒構造が設けられていて、将来的にHTV-Xを宇宙ステーションの一部として活用できるような発展性も確保されています。
なお、HTV-XはNASAが開発を進めている月周回有人拠点「ゲートウェイ」への補給ミッションに用いることも想定されています。「こうのとり」から大きく進化するHTV-Xの運用開始が今から楽しみです。
関連:「こうのとり」最終ミッションの9号機、5月21日打ち上げへ
Image Credit: JAXA
Source: HTV-Xウェブサイト(JAXA)
文/松村武宏
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