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打ち上げ準備進む火星探査車パーセベランス、新型ホイール装着姿を披露

sorae.jp / 2020年4月7日 10時59分

新型コロナウイルスの感染拡大は欧米の宇宙探査計画にも影を落としていますが、NASAが今夏打ち上げる予定の火星探査車「パーセベランス(Perseverance)」については、打ち上げに向けた準備が今も着々と進められています。3月30日には、約1トンの重さがあるパーセベランスを支える6つのアルミニウム製ホイール(車輪)が装着されました。

■キュリオシティから改良された新型のアルミ製ホイールを装備

ホイールが取り付けられた火星探査車パーセベランス。ホイールにかぶせられているのは帯電防止用のカバーで、打ち上げ前に取り除かれる(Credit: NASA/JPL-Caltech)

パーセベランスのホイールは、現在火星で活動中の火星探査車「キュリオシティ(Curiosity)」に取り付けられたものから改良が加えられています。ホイールの直径はキュリオシティの50.8cmから52.6cmへと若干大きくなり、幅はやや狭くなりました。トレッドもギザギザしたシェブロンパターンから緩やかにカーブしたパターンへと変わり、本数は24本から48本に倍増しています。

テストの結果、新しいホイールは尖った岩からの圧力によく耐えるとともに、砂地のグリップ力はキュリオシティのホイールと同じくらいか上回ることが確認されています。なお、パーセベランスは昨年12月にNASAのジェット推進研究所(JPL)においてテスト走行を実施していますが、当時はテスト用のエンジニアリングモデルを装着していました。

キュリオシティ(左)とパーセベランス(右)のホイール比較図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

また、ホイールの装着に先立つ3月26日には、火星への飛行中にパーセベランスが格納されるエアロシェルへのパラシュートの収納作業が完了しています。展開すれば直径21.5mに広がるパラシュートは、火星の大気圏に突入したパーセベランスの速度を時速約320kmまで減速させる重要な役目を担っています。重さ88kgのパラシュートはエアロシェルに設けられた直径50cmのシリンダーに詰め込まれており、JPLはその密度を高密度で硬質な木材であるオーク材にたとえています。

パーセベランスは今年の7月17日から8月17日にかけての期間内に打ち上げられ、火星到着は来年2021年2月18日を予定しています。新型のホイールを装着したパーセベランスには集めたサンプルを保管するチューブ状の密封容器が複数搭載されていて、欧州宇宙機関(ESA)が将来に向けて計画している火星探査ミッションにおいてこれを回収し、地球へと持ち帰ることが想定されています。

火星探査車パーセベランスと、将来の回収を見越して地表に残されたサンプルの保管容器を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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