銀河系の中心をX線と電波で描くと大迫力の花火のよう
sorae.jp / 2020年4月11日 21時34分
私たちの銀河系の中心部は地球から見ていて座の方向、約26,000光年離れた場所にあります。この画像はその中心部をX線と電波で観測したもので、画像の緑と青で着色されているところはNASAのX線観測衛星「チャンドラ」が捉えたX線、赤いところは過去の記事でも紹介した南アフリカ電波天文台(SARAO)の電波望遠鏡「MeerKAT」が観測した電波です。この画像からは銀河系の中心部が高いエネルギーを持つX線と低いエネルギーを持つ電波の両方で輝いていることがわかります。
画像の中央やや右にある非常に明るい部分が「いて座A」と呼ばれ、銀河系の中心にある超大質量ブラックホールを含む強い電波源です。いて座Aの周辺には高温のガスがX線で輝き、フィラメント状の電波源も数多く見えます。また多くの星や、中性子星や白色矮星といった高密度の星、さらには数多くの小さなブラックホールまでもが「いて座A」の周囲を回っており、いて座Aの周辺に見える点状のX線源のうちいくつかは小さなブラックホール(正確には、その付近にあるガス)を示しています。
冒頭の画像の全体像が下のものですが、実際の画像ファイルは本記事に収まりきらないほど巨大です。NASAのウェブサイトにはオリジナルの画像(約2メガバイト)がありますので、表示に少し時間がかかるかもしれませんが可能な方は見てみてください。点状のX線源までくっきりと見える、迫力ある画像になっています。
銀河系中心といえば、昨年「ブラックホールの直接撮影」として大きな話題になった「イベント・ホライズン・テレスコープ」も観測していた場所です。M87よりも観測データの解析が難しいとされ、まだその姿は描き出されていませんが、今後の発表が楽しみですね。
関連:
電波望遠鏡で描き出す銀河系の中心部
人類が新たに開いた扉。「ブラックホールの直接撮影」に成功。”シャドウ”を捉える
Image Credit: X-Ray: NASA, CXC, UMass, D. Wang et al.; Radio: NRF, SARAO, MeerKAT
Source: NASA
文/北越康敬
この記事に関連するニュース
-
ペンギンと卵のような相互作用銀河「Arp 142」 ウェッブ宇宙望遠鏡観測開始2周年記念
sorae.jp / 2024年7月16日 21時22分
-
この指輪のような天体の正体は? ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測
sorae.jp / 2024年7月9日 20時33分
-
新たな星の成長を伝える“砂時計” ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した暗黒星雲「L1527」
sorae.jp / 2024年7月6日 21時26分
-
【宇宙クイズ】ハッブル宇宙望遠鏡は2024年で打ち上げ「〇〇周年」?
sorae.jp / 2024年6月27日 20時2分
-
周期は約1時間 観測史上最も自転が遅い中性子星「ASKAP 1935+2148」を発見
sorae.jp / 2024年6月21日 20時51分
ランキング
-
1なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
-
2ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時0分
-
3第171回芥川賞は朝比奈秋さんと松永K三蔵さんがダブル受賞
産経ニュース / 2024年7月17日 18時4分
-
4「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
5イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)