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銀河を取り巻く恒星ストリームが描き出した淡いループ

sorae.jp / 2020年5月17日 22時13分

渦巻銀河「NGC 5907」(Credit: R Jay Gabany (Blackbird Observatory) – collaboration; D.Martinez-Delgado(IAC, MPIA), J.Penarrubia (U.Victoria) I. Trujillo (IAC) S.Majewski (U.Virginia), M.Pohlen (Cardiff))

■今日の天体画像:渦巻銀河NGC 5907

「りゅう座」の方向およそ4000万光年先にある渦巻銀河「NGC 5907」は、地球からはほぼ真横が見えるエッジオン銀河のひとつ。鋭く薄い刃物を連想させるその姿から「Knife Edge Galaxy(ナイフエッジ銀河)」とも呼ばれていて、1940年には超新星が観測されています。

今回ご紹介するこちらの画像では、NGC 5907の銀河円盤から15万光年ほど離れたところまで広がる、幾筋かの淡いループが見えています。このループは星でできた「恒星ストリーム(stellar stream)」と呼ばれるもので、かつてNGC 5907を周回していた矮小銀河の痕跡と考えられています。矮小銀河そのものは40億年以上前にNGC 5907と合体して取り込まれたものの、引き伸ばされた矮小銀河が軌道に残した痕跡は数十億年が経っても生き残り続け、かつて小さな銀河が存在していたことを示しているとみられています。

恒星ストリームはNGC 5907に限らず他の銀河でも見つかっています。天の川銀河でも10本以上の恒星ストリームが確認されていて、矮小銀河や球状星団の痕跡と考えられています。現在天の川銀河では約150個の球状星団が見つかっていますが、かつてはより多くの球状星団が天の川銀河の周囲に存在していた可能性もあります。もしも天の川銀河を外から観測することができたら、NGC 5907を取り巻くものに似た淡いループが見えるかもしれません。

天の川銀河を取り巻く恒星ストリームを描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

 

Image Credit: R Jay Gabany (Blackbird Observatory) – collaboration; D.Martinez-Delgado(IAC, MPIA), J.Penarrubia (U.Victoria) I. Trujillo (IAC) S.Majewski (U.Virginia), M.Pohlen (Cardiff)
Source: APOD / Caltech
文/松村武宏

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