アルテミス計画の月周回有人拠点「ゲートウェイ」2023年に打ち上げへ

sorae.jp / 2020年6月8日 20時55分

NASAの有人月面探査計画「アルテミス」では、宇宙飛行士は月を周回する「ゲートウェイ」で着陸船に乗り換えることが計画されています。6月6日、NASAはゲートウェイを構成するモジュールのひとつ「HALO(Habitation and Logistics Outpost)」をノースロップ・グラマンが担当することと、ゲートウェイの打ち上げが2023年末までに行われる予定であることを発表しました。

■ゲートウェイを構成する2つのモジュールを結合した状態で一度に打ち上げ

月周回有人拠点「ゲートウェイ」を描いた想像図。向かって右側のソーラーパネルを備えたモジュールが「PPE」、左側の円筒形のモジュールが「HALO」(Credit: NASA)

HALOは宇宙飛行士の滞在や乗り換え、補給船のドッキングなどに用いられるモジュールで、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送に用いられている「シグナス」補給船の与圧貨物モジュールをベースに製造されます。「オリオン」宇宙船で地球を出発した宇宙飛行士はまずHALOにドッキングし、待機していた月着陸船に乗り換えてから月の南極域に降下。月面探査を終えたらHALOに戻り、オリオンに乗り換えて地球へ帰還するという流れです。

ゲートウェイの建設では、まずマクサー・テクノロジーズが製造を担当する「PPE(Power and Propulsion Element)」が2022年に打ち上げられる計画でした。PPEは電力供給と推進を担当するモジュールで、HALOとの結合は月を周回する軌道上で行われるとされていましたが、今回の発表においてNASAは技術的なリスクの回避とコスト削減のために、PPEとHALOをあらかじめ結合した状態で一度に打ち上げるとしています。

NASAによる有人月面探査再開はもともと2028年が予定されていましたが、トランプ政権のもとで昨年3月に4年前倒しされています。計画の鍵となる新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」やオリオン宇宙船の開発は新型コロナウイルスの感染拡大もあって遅れており、今年実施される予定だったオリオン宇宙船の無人テストミッション「アルテミス1」は来年2021年11月に先送りされています。

なお、現在のスケジュールでは2021年のアルテミス1に続いて2022年にオリオン宇宙船の有人テストミッション「アルテミス2」を実施、2023年にはゲートウェイが打ち上げられ、2024年に有人月面探査ミッション「アルテミス3」が行われる予定となっており、来年以降は重要なマイルストーンが毎年続くことになります。

 

関連:NASAが「アルテミス計画」の月着陸船を開発する3社を選定

Image Credit: NASA
Source: NASA / ノースロップ・グラマン
文/松村武宏

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング