巨大な嵐に不思議な六角形、カッシーニが撮影した土星の北極

sorae.jp / 2020年7月6日 22時25分

土星探査機「カッシーニ」が赤外線の波長で撮影した土星の北極(疑似カラー)(Credit: NASA/JPL-Caltech/SSI)

■今日の天体画像:土星の北極

この画像は、2012年11月27日に土星探査機「カッシーニ」によって赤外線で撮影された土星の北極。色は赤外線の波長に応じて擬似的に着色(緑色は728nm、赤色は752nm、青色は890nmにそれぞれ対応)されたもので、緑色は高度が高く、赤色は高度が低い雲を示しています。右上には土星の環が何本もの青い線として写っています。

画像では土星の北極を大きく取り囲むように流れる巨大な六角形の雲の流れが捉えられています。この六角形は1980年代にフライバイ探査を行った惑星探査機「ボイジャー」によって発見されたもので、その大きさは地球が4個おさまってしまうほどとみられています。また、中央付近に見える赤い(すなわち周囲よりも低高度の雲が見えている)部分は、直径およそ2000km、風速は秒速150mにも達するとされる巨大な渦です。拡大してみると地球に発生する台風の目のようにも見えますが、移動する台風とは違い、この渦は土星の北極に留まり続けています。

中央の渦を拡大した画像(疑似カラー)(Credit: NASA/JPL-Caltech/SSI)

画像を撮影したカッシーニは2004年に土星に到着しましたが、その頃の土星は北半球が冬にあたる時期でした。夜の闇に覆われた土星の北極はしばらくのあいだ赤外線でしか観測することができず、可視光線(人の目に見える光)での撮影は土星が春分を迎えて北極域が照らされる2009年8月以降を待たねばなりませんでした。

カッシーニによって土星の北極が再び観測されたことで、六角形の雲の流れは20年以上に渡り安定して存在していることが判明した他に、全体が自転方向に回転していることも明らかになりました。また、2012年には青色だった北極域が、2016年には金色に変化した様子もカッシーニによって捉えられています。

人の目で見た色合いで再現された土星の北極(Credit: NASA/JPL-Caltech/SSI)

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SSI
Source: APOD / NASA/JPL(1) / NASA/JPL(2)
文/松村武宏

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