こちらを見つめているのか…多波長で観測した神秘的な眼「らせん星雲」

sorae.jp / 2020年9月5日 20時45分

赤外線、可視光線、紫外線、X線で観測された「らせん星雲」(Credit: X-ray: NASA/CXC; Ultraviolet: NASA/JPL-Caltech/SSC; Optical: NASA/STScI(M. Meixner)/ESA/NRAO(T.A. Rector); Infrared: NASA/JPL-Caltech/K. Su)

■今日の天体画像:らせん星雲(NGC 7293)

こちらは「みずがめ座」の方向およそ650光年先にある惑星状星雲「らせん星雲」です。太陽のように比較的軽い恒星が晩年を迎えると赤色巨星になって周囲に大量のガスを放出し、やがて小さな白色矮星へと進化して恒星としての一生を終えると考えられています。惑星状星雲は、赤色巨星から放出されたガスがまだ熱い白色矮星の放つ紫外線によって電離して輝いている天体です。

満点の星空や望遠鏡越しに見える天体は私たちの目を楽しませてくれますが、人間は可視光線と呼ばれるごく一部の波長の電磁波しか見ることができません。天体の性質をより詳しく調べるには、可視光線だけでなく赤外線、紫外線、電波、X線、ガンマ線といった別の波長の電磁波も利用した観測(多波長観測)が重要です。可視光線以外の波長で得られた観測データを擬似的に着色すると、人の目に映るものとは異なる天体の姿が見えてきます。

この画像は赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」による赤外線(緑色、赤色)、「ハッブル」宇宙望遠鏡による可視光線(オレンジ色、青色)、紫外線宇宙望遠鏡「GALEX」による紫外線(水色)、そしてX線観測衛星「チャンドラ」によるX線(白色)の観測データを組み合わせることで作成されました。最後に示した可視光線だけの画像と比較すると、多波長の観測によって得られる情報の多さが実感できます。

可視光線で観測された「らせん星雲」(Credit: NASA/STScI(M. Meixner)/ESA/NRAO(T.A. Rector))

冒頭の画像は2020年9月2日に「NASA’s Chandra Opens Treasure Trove of Cosmic Delights」として他の5点とともに公開されています。

 

Image Credit: X-ray: NASA/CXC; Ultraviolet: NASA/JPL-Caltech/SSC; Optical: NASA/STScI(M. Meixner)/ESA/NRAO(T.A. Rector); Infrared: NASA/JPL-Caltech/K. Su
Source: chandra.harvard.edu
文/松村武宏

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング