うみへび座に輝くヘビの目、正面から見た渦巻銀河の姿
sorae.jp / 2020年9月14日 23時46分
■今日の天体画像:渦巻銀河「NGC 2835」
こちらは「うみへび座」の方向およそ4000万光年先にある渦巻銀河「NGC 2835」。大きさは天の川銀河(銀河円盤の幅およそ10万光年)の半分ほどで、その中心には太陽の数百万倍の質量がある超大質量ブラックホールが存在すると考えられています。
正面(真上や真下)から見える銀河の姿は人や動物の目に例えられることがありますが、ほぼ正面から見えているNGC 2835も、2本の渦巻腕がまぶたの縁、中央で輝くバルジが瞳のようにも見えます。うみへび座の方向に見えることから、この画像には「ヘビの目(Eye of the Serpent)」というタイトルが付けられています。
画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡を使った研究プロジェクト「PHANGS-HST」の一環として撮影されました。PHANGS-HSTは天の川銀河の近くに存在するさまざまな銀河における冷たいガスと若い星々のつながりを研究することが目的のプロジェクトです。同様の研究プロジェクトはチリの「アルマ望遠鏡」(PHANGS-ALMA)やヨーロッパ南天天文台の「超大型望遠鏡」(PHANGS-MUSE)でも進められています。
多くの渦巻銀河の渦巻腕にみられる青い星々は進行中のものも含む最近の星形成活動を示しているとされており、NGC 2835の内部では星形成領域に存在する冷たく高密度のガスから多数の若い星が形成されているといいます。PHANGS-HSTでは天の川銀河の外にある10万を超えるガスの雲や星形成領域の画像化が期待されていて、冷たいガスの雲、星形成活動、銀河の形態がどのように関連しているのかを明らかにすることが望まれています。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」によって可視光線と紫外線の波長で撮影されたもので、「今週の一枚」として2020年9月14日に公開されています。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee, and the PHANGS-HST Team
Source: ESA/Hubble
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
見事に横向き ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“へび座”の渦巻銀河「UGC 10043」
sorae.jp / 2024年11月20日 20時52分
-
溶け合うような“かみのけ座”の相互作用銀河 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年11月11日 21時13分
-
どこかに写っている超新星 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した棒渦巻銀河「NGC 1672」
sorae.jp / 2024年11月6日 21時47分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 2021年と2023年に超新星が見つかった渦巻銀河「NGC 4414」
sorae.jp / 2024年11月2日 18時41分
-
じーっと見つめる目のような相互作用銀河 ハロウィンにあわせNASAやESAが紹介
sorae.jp / 2024年11月1日 16時58分
ランキング
-
1煙草を「のむ」ってわかりますか?古い注意書から気付かされた日本語の変化
よろず~ニュース / 2024年11月24日 12時10分
-
2品川イオンスタイル「最強フードコート」の実態 太っ腹にも程がある?自由すぎる食のスポットだ
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 12時0分
-
3小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
-
4ナッツを食べると認知症予防になるのか…理想は1日30g
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月24日 9時26分
-
5とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください