火星の「顔」は人面岩だけじゃない。にっこり笑顔のハッピー・フェイスクレーター
sorae.jp / 2020年10月7日 22時9分
こちらは火星の南半球、アルギル平原の東端に位置するガレ・クレーター(直径約230km)とその周辺を捉えた画像です。1999年3月にNASAの火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS)」によって撮影されました。クレーター内部にある円弧状に連なる山などの地形がまるで笑顔を表しているように見えることから「Happy Face(ハッピー・フェイス)」クレーターとも呼ばれています。
ハッピー・フェイス・クレーターが発見されたのは、1976年に火星へ到着したNASAの火星探査機「バイキング1号」のオービター(軌道船)による観測が行われた時でした。2006年にはESA(欧州宇宙機関)の火星探査機「マーズ・エクスプレス」によって撮影された、より精細なハッピー・フェイス・クレーターの画像が公開されています。
■火星の北半球にはミステリアスな「顔」もところで、バイキングが撮影した「顔」といえば、この画像を思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。
こちらは火星の北半球、アキダリア平原とアラビア大陸の境界に位置するシドニア地域の一部をバイキング1号が1976年7月に撮影した画像なのですが、中央上に人の顔をかたどったような地形が写っています。「Face on Mars(火星の顔)」、国内では「火星の人面岩(人面像)」として知られるこの地形は、地球外知的生命体や過去に火星へ渡った人類によって作られたとする説まで登場しました。
実際にはこの地形は人工物ではなく自然物であり、バイキング1号が撮影した「顔」は光と影による偶然の産物だったことが、後に送り込まれた火星探査機の観測によって判明しています。こちらはマーズ・エクスプレスの観測データをもとに再現された画像ですが、人面岩とされた地形は幾つかのピークを持った山塊であることがわかります。
自然によって偶然にも生み出されたガレ・クレーターとシドニア地域の「顔」。月や火星をめぐる観光旅行が夢ではなくなるような時代には、これら火星の顔が人気の観光スポットになるのかもしれません。
関連:NASAの探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」が撮影し続けてきた火星の素顔
Image Credit: NASA/JPL/MSSS
Source: NASA/JPL / ESA (1) / ESA (2)
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
地球の永久凍土帯に広がる地形を用いて、火星の地下に氷が豊富にある場所を特定!
Digital PR Platform / 2025年1月23日 20時5分
-
高知大など、火星の地下で氷が豊富に存在する場所を地形から精密に推定
マイナビニュース / 2025年1月17日 16時38分
-
大阪・関西万博の日本館で展示する「火星の石」は“隕石” なぜ火星由来と分かった?
ITmedia NEWS / 2025年1月16日 7時20分
-
NASA、火星サンプルリターンで2つのオプションを検討へ 2026年後半に選択
sorae.jp / 2025年1月13日 10時26分
-
日欧の水星探査機「ベピ・コロンボ」が最後の水星スイングバイを実施 水星到着は2026年11月
sorae.jp / 2025年1月10日 22時5分
ランキング
-
1お吸い物に使われる「麩」 栄養あるの? 管理栄養士に聞いたら、メリットだらけの食べ物だった
オトナンサー / 2025年2月2日 12時40分
-
2寝る前に飲むと太る!? ぜったい避けたいNGドリンク3つ
つやプラ / 2025年2月2日 12時1分
-
3夫の不倫で激ヤセ。一度は許したけど再構築中の夫の“デリカシーゼロ発言”に離婚を決意
女子SPA! / 2025年2月2日 15時45分
-
4「あなたの弟と一緒に来たことがあるの…」彼女と宿泊したホテルで発覚した“とんでもない事実”
日刊SPA! / 2025年2月2日 15時52分
-
5「とても寂しい気持ち」「今までよく耐えてた」矢場とん、米価格高騰でご飯おかわり無料サービス廃止へ
オールアバウト / 2025年2月2日 19時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください