重力マイクロレンズ現象を利用して新しい自由浮遊惑星の候補を発見
sorae.jp / 2020年11月1日 17時13分
自由浮遊惑星による重力マイクロレンズ現象の想像図(Credit: Jan Skowron / Astronomical Observatory, University of Warsaw.)
プシェメク・ムロズ博士などからなる光学重力レンズ実験(OGLE)の研究チームは10月29日、重力マイクロレンズ現象を使って、新たな自由浮遊惑星の候補を発見したとする論文を発表しました。この自由浮遊惑星の候補の質量は、火星~地球程度で、これまで重力マイクロレンズ現象を使って発見された天体のなかでも、最も小さいものの一つになります。
自由浮遊惑星とは、どの恒星系にも属さずに、宇宙空間を放浪している惑星をいいます。その数は意外に多く、名古屋大学の研究チームの推定によれば、私達の天の川銀河だけでも数千億個の自由浮遊惑星が存在するのではないかと考えられています。
このような自由浮遊惑星は、非常に暗いために観測が難しく、重力マイクロレンズ現象を利用した特殊な方法で探査されています。
アインシュタインの一般相対性理論によれば、大きな質量を持つ天体の近くでは、空間が曲げられ、光の進路が曲げられます。その結果、大きな質量を持つ天体の近くを通る光りが、あたかもレンズによって集光されたかのように、明るさを増す現象が起こることがあります。これが重力マイクロレンズ現象です。重力レンズ現象の一種になります。
研究チームは、自由浮遊惑星が地球と恒星の間を横切ったときに発生したこの重力マイクロレンズ現象を観測・分析することによって、今回の新しい自由浮遊惑星の候補を発見しました。
重力マイクロレンズ現象による増光の時間の長さは自由浮遊惑星の質量に関係しています。そのため、研究チームは、あわせて、その自由浮遊惑星の候補の質量を推定することもできました。その質量は火星~地球程度の質量だと考えられるといいます。
研究チームは、このように質量が小さな自由浮遊惑星について、重力マイクロレンズ現象を使って、さらに探査を続けていきたいとしています。
Image Credit: Jan Skowron / Astronomical Observatory, University of Warsaw.
Source: SCI-NEWS/論文
文/飯銅重幸
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