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NASAの火星探査車「Perseverance」が飛行中に録音した「音」が公開される

sorae.jp / 2020年11月25日 18時48分

火星探査車Perseveranceを描いた想像図。赤丸で示されているのが車体に搭載されているマイクの1つ「EDL Microphone」の位置(Credit: NASA/JPL-Caltech)

日本時間2020年7月30日に打ち上げられたNASAの火星探査ミッション「マーズ2020」の探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」は、2021年2月の火星到着に向けて順調に飛行を続けています。

Perseveranceにはさまざまな観測装置やカメラなどが搭載されていますが、そのなかには2台のマイクも含まれています。NASAのジェット推進研究所(JPL)は11月18日、Perseveranceに搭載されているマイクの1つ「EDL Microphone」が10月19日に録音した飛行中の「音」(再生時間1分)を公開しました。

NASA · Perseverance Rover’s Interplanetary Sounds

ファイルを再生してみると、コップを耳に当てた時に聞こえるような音や虫の羽音にも似た音が記録されていることがわかります。JPLによると、Perseveranceのマイクが録音したのは機体の熱制御を担う循環ポンプの作動に由来する音のようです。音は気体や液体だけでなく固体も媒質として伝わります。真空の宇宙空間を音が伝わることはありませんが、機体そのものを介して伝わったポンプの振動をマイクが拾った結果、このような音が録音されたとのことです。

機器の作動にともなうノイズと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、マーズ2020に携わるエンジニアのDave Gruel氏は「システムが機能していて、着陸時の音を録音する準備が整っていることを意味します」と語ります。EDL Microphoneは火星大気圏への突入(Entry)、降下(Descent)、着陸(Landing)の過程における音を捉えるために搭載されていますが、宇宙探査のために設計されたものではないといい、Gruel氏は「着陸までの音が少しでも録音できれば素晴らしいことです」とコメントしています。

マーズ2020は古代の火星で誕生していた可能性がある生命の探索を重要な目的としています。Perseveranceは採取したサンプルを分析することに加えて、NASAとESA(欧州宇宙機関)が共同で取り組む火星サンプルリターンミッションのために、地球に持ち帰るサンプルを保管する容器も43本搭載。また、火星大気中での飛行を実証するための小型ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」も搭載しています。

Perseveranceは日本時間2021年2月19日5時47分に火星の大気圏に突入し、その約7分後にジェゼロ・クレーターへ着陸する予定です。

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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