宇宙に開いた穴? 分子雲「Barnard 68」
sorae.jp / 2020年11月30日 20時45分
今日の天体画像:分子雲「Barnard 68」(FORS Team, 8.2-meter VLT Antu, ESO)
この画像、大半は星で埋め尽くされていますが、中央に穴があいているように見えます。
暗く、不規則な形をして不気味に見えますが、これは穴ではなく「分子雲」というものであることが知られています。分子雲はダストと呼ばれる微粒子や水素分子などからなる分子ガスが集まっている領域で、後ろから来る星の光を吸収しているため暗く見えているのです。暗く、温度が低いこのような領域は古くから「暗黒星雲」とも呼ばれています。黒く暗い雲のような天体に見えるためこのような名前が付けられており、「星」という字が入っていますが星ではありません。また、目に見える光では暗いものの、赤外線では光って見えており、暗黒星雲の中を調べることが可能です。
画像の暗黒星雲は「Barnard 68」と呼ばれており、星座「へびつかい座」の方向にあります。暗い領域の中心付近には星が見えないことから、Barnard 68は地球から比較的近いと考えられており、その距離は約500光年です。Barnard 68の横幅は約0.5光年ほどと考えられています。0.5光年というと宇宙のスケールとしては小さいのですが、そうはいっても約5兆キロメートルもあります。太陽から冥王星までの距離でも約50億キロメートルですので、太陽系から考えるとやはり大きいですね。
Barnard 68のような分子雲がどのようにして形成されるのか正確にはわかっていませんが、新しい星が誕生する可能性が高い場所であることは確かです。Barnard 68自身も今後つぶれていって新しい星が生まれる可能性が高いと言われています。
Image Credit: FORS Team, 8.2-meter VLT Antu, ESO
Source: NASA
文/北越康敬
この記事に関連するニュース
-
新たな星の成長を伝える“砂時計” ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した暗黒星雲「L1527」
sorae.jp / 2024年7月6日 21時26分
-
宇宙の彼方に立っている「創造の柱」...壮大で神秘的な姿を捉えた、リアルな「3D映像」NASAが公開
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月29日 13時19分
-
まるで天界のように幻想的な光景 ほ座超新星残骸のクローズアップ
sorae.jp / 2024年6月28日 20時56分
-
【宇宙クイズ】ハッブル宇宙望遠鏡は2024年で打ち上げ「〇〇周年」?
sorae.jp / 2024年6月27日 20時2分
-
柔らかに輝きを放つ輝線星雲「RCW 7」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年6月19日 21時5分
ランキング
-
1Q. スイカの皮は食べられますか? 【管理栄養士が回答】
オールアバウト / 2024年7月18日 20時45分
-
2「持ち運び用の最適解...」無印の"990円"充電器、価格以上の優秀さだった。
東京バーゲンマニア / 2024年7月18日 20時8分
-
3結婚相談所は知っている「いつまで経っても、結婚できない男女の“意外な問題点”」
日刊SPA! / 2024年7月18日 15時50分
-
4大谷翔平&真美子さんのレッドカーペット中継に… 人気アイドルが「思いっきり映ってる」と話題
Sirabee / 2024年7月18日 15時40分
-
5iPhoneは「128GB」か「256GB」どちらを買うべきですか?【スマホのプロが解説】
オールアバウト / 2024年7月16日 21時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)