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天の川銀河が周期的に地球にもたらす大量絶滅とは?

sorae.jp / 2020年12月15日 22時57分

天の川銀河の画像。真ん中の丸く膨らんだ部分をバルジ、その周りの円盤状の部分をディスクという。( Image Credit:NASA/Serge Brunier )

天の川銀河の画像。真ん中の丸く膨らんだ部分をバルジ、その周りの円盤状の部分をディスクという。( Image Credit:NASA/Serge Brunier )

ニューヨーク大学のマイケル・ランピーノ教授などからなる研究チームは12月10日、陸上生物の大量絶滅が、すでに知られている海洋生物の大量絶滅と同様に約2750万年の周期で引き起こされていることが解ったと発表しました。研究チームによれば、これらの大量絶滅には、天の川銀河における太陽系の運動が深く関係している可能性があるといいます。

まず、研究グループは陸上生物の大量絶滅に関する記録を統計的な手法などを使って詳しく分析しました。すると、過去3億年の間に約2750万の周期で10回の陸上生物の大量絶滅が起こっていることが解りました。

そして、そのうちの8回は、海洋生物の大量絶滅と同時期に起こっており、非常に大規模な火山活動を伴っていました。また、その8回のうちの3回には巨大な隕石の衝突も伴っていました。

ところで、このように大量絶滅、非常に大規模な火山活動、巨大な隕石の衝突が約2750万の周期で時を同じくして繰り返されるのは、単なる偶然の一致なのでしょうか?研究チームによると、そうではない可能性があるといいます。

太陽系は天の川銀河を2億5000万年かけて公転しています。しかし、直線的に公転しているのではなく、上下に大きく振動しながら公転しています。そのため太陽系は3000万年周期で天の川銀河のディスクの真ん中の部分を通過します。

このディスクの真ん中の部分には塵やガス、恒星、ダークマターなどが高い密度で存在しています。ここで問題になるのはダークマターです。

ダークマターは、観測不能ですが、渦巻銀河の回転速度や重力レンズ現象の観測などさまざまな観測結果から、その存在はほぼ間違いないと考えられています。実に私達の天の川銀河の質量の9割はダークマターで占められていると考えられています。

研究チームによれば、このダークマターによって、非常に大規模な火山活動や巨大な隕石の衝突が引き起こされた可能性があるといいます。つまり、ダークマターの重力によって彗星の軌道が乱され地球への巨大な隕石の衝突を発生させた可能性があるというのです。また、同時に、地球の核にたまったダークマターの粒子が互いに衝突して消滅することによって熱が発生し非常に大規模な火山活動を発生させた可能性があるといいます。

この見解は、まだ仮説の域をでませんが、もし、本当なら、とても興味深いですよね。

なお論文は12月10日付で「Historical Biology」誌にオンライン掲載されました。

 

Image Credit: NASA/Serge Brunier
Source: ニューヨーク大学/論文
文/飯銅重幸

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