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星の材料のほとんどを失った“かじき座”のレンズ状銀河

sorae.jp / 2020年12月21日 21時4分

レンズ状銀河「NGC 1947」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Rosario)

レンズ状銀河「NGC 1947」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Rosario)

こちらは南天の「かじき座」の方向およそ4000万光年先にある銀河「NGC 1947」です。銀河というと「アンドロメダ銀河(M31)」の写真や天の川銀河の想像図のような渦巻腕を持つ渦巻銀河や棒渦巻銀河の姿が思い浮かびますが、NGC 1947は渦巻銀河のように扁平でありながらも渦巻腕を持たない「レンズ状銀河」に分類されています。

レンズ状銀河は星の材料となるガスや塵が乏しい銀河です。欧州宇宙機関(ESA)によるとNGC 1947もその例に漏れず、渦巻銀河の特徴である渦巻腕からはほとんどのガスや塵が失われており、細く引き伸ばされた糸のような暗いガスの雲が渦巻腕の残骸のようにNGC 1947の中心部を取り巻いています。

ガスや塵が豊富で星形成活動が活発なスターバースト銀河などでは若くて高温な星々の存在を示す青い領域があちこちに見られますが、星の材料を失い新たな星が形成されにくくなっているNGC 1947の画像にはそのような領域は見当たりません。ガスや塵が乏しく星形成活動が弱い銀河では新たな星が誕生する可能性は低く、NGC 1947も時間が経つにつれて衰退していくとみられています。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」によって可視光線と赤外線の波長で観測されたもので、ESAからハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として2020年12月21日付で公開されています。

 

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Rosario
Source: ESA/Hubble
文/松村武宏

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