国際宇宙ステーションに太陽電池パネルを増設、打ち上げは2021年から
sorae.jp / 2021年1月13日 10時40分
アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月12日、太陽電池パネルの経年劣化によって低下しつつある国際宇宙ステーション(ISS)の発電能力を補うために、ボーイング製の太陽電池パネル6基を新たに取り付ける予定であることを発表しました。
1998年に建設が始まり2011年に大規模な構成要素の組み立てが完了したISSは、現在8基の太陽電池パネルが供給する電力によって稼働しています。太陽電池パネルはパネル自体や土台となっているトラスを回転させることで向きが変えられる構造になっており、太陽を追尾したり発電量を調整したりすることが可能です。
NASAによるとISSの太陽電池パネルの耐用年数は15年で、2000年12月から2009年3月にかけて4回に分けて設置された太陽電池パネルは一部がすでに耐用年数を超えたか間もなく迎えようとしており、今のところ問題なく機能してはいるものの予想通り劣化の兆しを見せているといいます。
今回発表された太陽電池パネルの増設は、低下が避けられないISSの発電能力を底上げするための取り組みです。発表によると、太陽追尾や配電といった既存のシステムを最大限活用するため、現在稼働中の太陽電池パネル(1基のサイズは35.5m×11.6m)の上に19m×6mという小さなサイズの新しいパネルが重なるように取り付けられます。
新しい太陽電池パネルは6基あわせて最大120キロワットの発電能力があり、既存の太陽電池パネル(増設されない2基および増設によって一部が隠される6基)による95キロワットとあわせて最大215キロワットの発電能力が確保されるといいます。現在最大160キロワットとされるISSの発電能力は新しく高効率な太陽電池パネルの増設によって2~3割の増強が見込まれており、NASAは既存の太陽電池パネルが設置された当初の発電能力がおおむね回復するとしています。
新しい太陽電池パネルはスペースXの無人補給船「カーゴドラゴン」に搭載され3回に分けてISSに運ばれるとされており、最初の打ち上げは2021年中に予定されています。ISSの維持を担い、NASAやその国際パートナーが望むのであれば2030年以降も安全に運用できるとするボーイングは、この増設によって今後数年間はISSの機能を最大化できるとしています。
Image Credit: Boeing
Source: NASA / Boeing
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
アメリカの「宇宙政策」がマスク主導で大転換へ 揺れる同盟関係と加速する中国との競争
東洋経済オンライン / 2024年11月30日 10時30分
-
【更新】ISSに到着したロシアの補給船「プログレスMS-29」で一時異臭と飛沫を確認
sorae.jp / 2024年11月25日 11時21分
-
マスク氏ロケット打上連発「火星移住」実現するか スペースX「3つのスゴさ」をわかりやすく解説
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 12時0分
-
ロシア、ISSへの補給船「プログレスMS-29」を打ち上げ
sorae.jp / 2024年11月22日 17時35分
-
スペースX、カーゴドラゴン補給船の打ち上げ成功 ISS到着予定は11月6日
sorae.jp / 2024年11月5日 17時5分
ランキング
-
1AirPodsの音がぶちぶち途切れてしまう……原因は? 試すべき対処法はある?
オールアバウト / 2024年11月29日 21時25分
-
2一人暮らしの同僚は毎食「コンビニ弁当」です。「光熱費もかからないから、作るより安上がり」と言っていますが、そんなことないですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月29日 5時50分
-
3Z世代が知ってる50代以上の女優 3位篠原涼子さん 2位天海祐希さんを抑えた1位は演技力半端ないあの人
まいどなニュース / 2024年11月29日 15時40分
-
4ついに日本政府からゴーサイン出た! 豪州の将来軍艦プロジェクト、日本から輸出「問題ありません!」 気になる提案内容も明らかに
乗りものニュース / 2024年11月29日 6時12分
-
5ワークマンの「着る断熱材」がスゴイ! 寒さも暑さも感じない「無感覚アウター(レディース)」を着てみた
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月23日 9時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください