暗黒帯を包み込む淡い輝き。“かみのけ座”の「黒眼銀河」
sorae.jp / 2021年2月23日 22時39分
こちらは「かみのけ座」の方向およそ1700万光年先にある渦巻銀河「NGC 4826」です。メシエカタログに「M64」として収録されているこの銀河は、1779年にイギリスの天文学者エドワード・ピゴットによって発見されました。
明るい中心核の周りで赤黒く渦巻く暗黒帯が印象的なNGC 4826は、その姿から「Black Eye Galaxy(黒眼銀河)」や「Evil Eye Galaxy(邪眼銀河)」とも呼ばれています。画像を拡大してみると、暗黒帯を背景に青色や赤色で輝く星々からの光が、美しい螺鈿(らでん)細工を思わせます。
欧州宇宙機関(ESA)によると、NGC 4826では外側の領域と内側の領域にあるガスがそれぞれ逆方向に回転しています。これはNGC 4826が過去に逆行する伴銀河と合体したことが理由ではないかと考えられていて、互いに逆回転するガスが衝突する領域では新たな星が形成されているといいます。
冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」による光学および紫外線の観測データをもとに作成されたもので、ESAからハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として2021年2月22日付で公開されています。
関連:「南の回転花火銀河」と呼ばれる”うみへび座”の渦巻銀河M83
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee and the PHANGS-HST Team
Source: ESA/Hubble
文/松村武宏
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