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ソユーズロケット打ち上げ成功 「アクセルスペース」「アストロスケール」の人工衛星を搭載

sorae.jp / 2021年3月24日 11時37分

青と白の特別な色をまとったソユーズロケット(Credit: GLAVKOSMOS)

青と白の特別な色をまとったソユーズロケット(Credit: GLAVKOSMOS)

ロシアのロスコスモス社は、韓国の観測衛星と37の小型衛星をソユーズ2.1aロケットで打ち上げました。打ち上げは、日本時間3月22日15時7分にカザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地で行われました。なお当初の予定は3月21日でしたが、ロケットの上段に問題が見つかったため2日延期していました。

韓国の観測衛星「CAS500-1」は韓国航空宇宙研究院(KARI)が開発を行いました。2017年に打ち上げを行うGK Launch Services社と契約を結んでいました。農場や森林、水源などの観測に役立つということです。今後は約半年、軌道上で試験を行い、今年10月の運用開始を目指します。

今回打ち上げられた小型衛星の中には日本の会社が開発、製作を行った小型衛星もあります。

<アクセルスペース「GRUS(グルース)」>

アクセルスペースは東京・日本橋に本社を置く企業です。ソユーズロケットには日本初の量産衛星「GRUS(グルース)」4機が搭載されました。打ち上げ、分離に成功し、その後信号の受信にも成功しました。重量約100kgの衛星は地球観測を目的としています。地上分解能は2.5mで、農業や森林など幅広い産業での応用が期待されています。

打ち上げに向けての準備作業を行うアクセルスペースの人工衛星「GRUS」(Credit: Roscosmos)

打ち上げに向けての準備作業を行うアクセルスペースの人工衛星「GRUS」(Credit: Roscosmos)

これら4機の衛星は同社が構築を進める全地球観測プラットフォーム「Axel Globe(アクセルグローブ)」を構成します。このシステムは、地球上のあらゆる場所を1日1回という頻度で観測することができます。2023年までに10機体制を目指し、現在よりもさらに幅広い分野での活用を目指すということです。

また今回軌道へ投入された4機のGRUSのうち、1機は福井県の県民衛星「すいせん」です。福井県は宇宙産業を新しい政策の柱として、宇宙産業の拠点化を目指しています。県民衛星プロジェクトとして、県内企業や大学などが協力。2016年には「福井県民衛星技術研究組合」が結成され、今回の衛星打ち上げに至りました。

<アストロスケール「ELSA-d」>

東京・墨田区に本社を置くアストロスケールは、世界初のスペースデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」を開発。スペースデブリの捕獲(ドッキング)とその除去に必要な技術を実証する民間会社では世界初のミッションを行います。ELSA-dは「捕獲衛星」と「デブリ模擬衛星」を結合して打ち上げます。

アストロスケールの「ELSA-d」(Credit: Roscosmos)

アストロスケールの「ELSA-d」(Credit: Roscosmos)

捕獲衛星は、デブリ模擬衛星とランデブするシステムに加えて、磁力による捕獲機能を持っています。また模擬衛星にはドッキングを可能にするドッキングプレートが取り付けられています。

現在、世界各国で宇宙ゴミに対する問題が取り上げられています。ELSA-dはその問題を解決する技術を実証することへ注目が集まっています。

 

 

Image Credit: Roscosmos/GLAVKOSMOS
Source: SpaceNews/NASA Spaceflight.com/アクセルスペース/アストロスケール/福井県民衛星プロジェクト
文/出口隼詩

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