不思議な模様に覆われた夏の極冠、NASA火星探査機が宇宙から撮影
sorae.jp / 2021年4月15日 22時34分
こちらの画像は、火星の南半球が夏の時期に周回軌道上から撮影された南極冠の一部を拡大したものです。水の氷や二酸化炭素の氷(ドライアイス)でできている火星の極冠は冬に拡大し、夏に縮小しますが、完全に消えてしまうことはありません。
アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)によると、火星の南極では夏でも水の氷の上に厚さ数kmの二酸化炭素の氷が堆積しているといいます。年中消えることがないこうした氷の堆積物は、残留極冠や残存極冠と呼ばれています。
撮影された極冠の表面には二酸化炭素が昇華したことで生じる直径数百mのくぼみが連なるように幾つも存在しており、くぼみに囲まれた部分は不規則な輪郭となめらかな表面を持つ長さ数kmのメサ(卓状台地)となっています。メサの周囲に見える暗い色合いの部分では、二酸化炭素が昇華したことで下にある水の氷が露出しているとみられています。
地表と大気を行き来する二酸化炭素の量が季節や年間を通してどれくらい変化するのかを知ることは、火星の気候を理解する上で重要です。火星の地表というと赤茶色の砂に覆われた険しく荒々しいイメージが強いのですが、極域では季節の変化にあわせて極冠が拡大・縮小することもあり、時にユニークな表情を見せてくれます。
画像はアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」の高解像度撮像装置「HiRISE(The High-Resolution Imaging Science Experiment)」による2020年11月22日の観測データをもとに作成されたものです。
関連:火星の南極域に現れた「翼を広げた天使」と「ハートマーク」
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona
Source: NASA/JPL
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
準衛星「カモオアレワ」を生み出したクレーターを特定? 月起源説を後押し
sorae.jp / 2024年5月6日 22時46分
-
火星で「無数のクモ」見つかった!春の太陽と凍った二酸化炭素で発生する黒い物質
よろず~ニュース / 2024年4月30日 21時50分
-
ISSや太陽望遠鏡など “特別な視点”から見た2024年4月の皆既日食
sorae.jp / 2024年4月20日 21時7分
-
日本人宇宙飛行士に2回の月面着陸機会 「アルテミス計画」与圧ローバー巡り日米間で署名
sorae.jp / 2024年4月15日 11時4分
-
火星での生命探査にパラダイムシフトを起こすか 米大学院生が提案する斬新なミッション
sorae.jp / 2024年4月12日 9時22分
ランキング
-
1すき家、14日から復活する“人気メニュー”が話題に 「復刻まじか」「通常メニューにして…」
Sirabee / 2024年5月9日 4時0分
-
2クルマに出現する「光るカメ」は危険のサイン! 見慣れない「謎マーク」の意味は何? そのまま走り続けるのはNG!
くるまのニュース / 2024年5月9日 20時10分
-
3冷蔵庫で「長ネギ」がシワシワに…うまく保存するには? 消費者庁がコツを解説
オトナンサー / 2024年5月9日 22時10分
-
4「そば派」「うどん派」はどっちが多い? 5000人調査の結果が明らかに- LINEヤフー
マイナビニュース / 2024年5月9日 16時26分
-
5吉野家で"から揚げ"がお得に食べられる。割引&ご飯の増量などが無料に。
東京バーゲンマニア / 2024年5月10日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください