今度は合計100mの往復飛行! NASA火星ヘリ、3回目の飛行にも成功
sorae.jp / 2021年4月26日 17時27分
火星での飛行記録が着々と積み重ねられつつあります。アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は現地時間4月25日、火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」による3回目の飛行が成功したことを発表しました。
2021年2月に火星のジェゼロ・クレーターへ着陸した探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」の車体底部に搭載される形で火星に到着したIngenuityは、4月19日に史上初となる火星での航空機による制御された動力飛行に成功しました。
初飛行は高度3mでのホバリングを含む垂直方向の飛行のみでしたが、4月22日に実施された2回目の飛行では、高度5mで横に2m離れた場所まで移動する水平方向の飛行(往復で合計4m)を行った後に、「ライト兄弟飛行場」と名付けられた離発着地点の上空へ戻り、無事着陸することに成功していました。
【関連】
・NASA火星ヘリ、人類史上初の地球外での動力飛行に成功。動画も公開
・NASA火星ヘリコプター2回目の飛行に成功、2mの水平飛行も実施
3回目の飛行は日本時間2021年4月25日17時31分に始まりました。最高高度は2回目と同じ高度5mでしたが、今回Ingenuityは最大で秒速2m(時速7.2km)の対気速度で50m離れた地点までの水平飛行(往復で合計100m)を行い、約80秒後にライト兄弟飛行場へ無事着陸しました。今回の飛行における水平方向の最大速度は、秒速0.5mだった2回目の4倍に達しています。
次の動画はPerseveranceのズーム対応カメラ「Mastcam-Z」によって撮影された今回の飛行の様子です。画面左下から垂直に上昇したIngenuityが右方向の撮影範囲外まで水平に飛行し、戻ってから着陸するまでの様子が捉えられています。
【▲ Perseveranceによって撮影されたIngenuityの3回目の飛行(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS)】
Ingenuityは長さ1.2mのカーボンファイバー製ローター(二重反転式)を備えた重量1.8kgの小型ヘリコプターで、ローターの上に備わっている太陽電池を使ってバッテリーを充電することで、飛行実験を繰り返すことが可能です。地球と火星の通信には分単位のタイムラグが生じるため、Ingenuityは事前にPerseverance経由で送信されたコマンドに従って自律的に飛行するように作られています。運用チームは今回の飛行で得られたデータの分析に取り組んでおり、数日以内に4回目の飛行計画が立てられる見通しです。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
9月15日は土星探査機「カッシーニ」のミッションが終了した日
sorae.jp / 2024年9月15日 20時55分
-
NASAが惑星探査機「ボイジャー1号」のスラスター切り替えに成功 打ち上げから47年後も続くミッション
sorae.jp / 2024年9月12日 21時19分
-
アポロ15号で撮影された月の地平線と三日月形に輝く地球の姿
sorae.jp / 2024年9月5日 11時21分
-
NASA火星探査ミッション「ESCAPADE」打ち上げ準備進む ニューグレンで2024年10月予定
sorae.jp / 2024年9月4日 16時47分
-
NASA探査機「エウロパ・クリッパー」2024年10月の打ち上げに向けて準備進む
sorae.jp / 2024年8月29日 12時0分
ランキング
-
1土井善晴氏が味噌汁に入れた“意外なモノ”に驚き 「めちゃめちゃおいしい」
Sirabee / 2024年9月24日 5時0分
-
2スノーピークはキャンプブームを読み違えた…業績急拡大の反動でコロナ後に急落悪化
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月25日 9時26分
-
3人気のポイント勢力図が変わりつつある?【ポイント経済圏の調査から解説】
オールアバウト / 2024年9月24日 19時30分
-
4ユニクロの最新コラボ「過去最高の出来」間違いなく格安すぎる5つのアイテム
日刊SPA! / 2024年9月25日 8時54分
-
5「真ん中の子だけ顔が似てないね」DNA鑑定で明らかになった“衝撃の真実”…父親はまさかの
日刊SPA! / 2024年9月24日 8時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください