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小さくたって立派な銀河。ろくぶんぎ座の矮小不規則銀河「ろくぶんぎ座B」

sorae.jp / 2021年5月4日 21時13分

矮小不規則銀河「ろくぶんぎ座B」(Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA)

【▲ 矮小不規則銀河「ろくぶんぎ座B」(Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA)】

こちらは「ろくぶんぎ座」の方向およそ450万光年先にある矮小不規則銀河「ろくぶんぎ座B(Sextans B)」です。無数に散りばめられた青白い星々の所々には、アクセントを添えるかのように赤い泡のような領域が点在しています。

不規則銀河とは、天の川銀河やアンドロメダ銀河(M31)のような整った構造を持たず、星々が無秩序に集まっているような銀河のこと。ろくぶんぎ座Bはそのなかでも軽く小さい矮小不規則銀河に分類されていますが、それでも銀河の総質量は太陽およそ2億個分と見積もられています。なお、私たちが住む天の川銀河は「局部銀河群」と呼ばれる数十個の銀河が集まったグループに属していますが、ろくぶんぎ座Bはその端のあたりに位置しています。

あちこちに見える赤い部分は「星形成領域」と呼ばれるもので、ここでは新たな星々が誕生しています。星形成領域には星の材料となる水素が豊富に存在しており、生まれたばかりの若くて高温の星が放射する紫外線によって電離することで、赤い光を放ちます。ろくぶんぎ座Bの姿にアクセントを添える赤い輝きは、星のゆりかごとも表現される星形成領域がどこにあるのかを示す目印と言えます。

また、この画像には、ろくぶんぎ座Bの手前で輝く天の川銀河の星々だけでなく、遥か遠くの宇宙に散らばる銀河も同時に捉えられています。掲載した画像ではわかりにくいかもしれませんが、ろくぶんぎ座Bの周辺を拡大してみると、横から見た渦巻銀河らしき姿が幾つも見えてきます。宇宙の途方もない広さを改めて実感させられる一枚です。

冒頭の画像はアメリカのキットピーク国立天文台にある口径4mのメイヨール望遠鏡によって撮影され、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)から2021年4月28日付で公開されています。

 

関連:強力な「重力レンズ」の効果。銀河団の重力に歪められた遠くの銀河の像

Image Credit:
KPNO/NOIRLab/NSF/AURA
Data obtained and processed by: P. Massey (Lowell Obs.), G. Jacoby, K. Olsen, & C. Smith (AURA/NSF)
Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
Source: NOIRLab
文/松村武宏

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