実は謎多きオーロラに関する大きな謎の1つが解明される
sorae.jp / 2021年6月11日 11時1分
NASAは6月8日、NASAによって、一部、資金の提供を受けたアイオワ大学の研究チームが謎の多いオーロラの発生メカニズムの一端を解明したと発表しました。
■今回解明されたオーロラの謎とは?オーロラは、地球磁気圏の夜側に溜まった太陽風に由来する荷電粒子、特に電子、が何らかのメカニズムで加速され、地球の大気に衝突することで発生します。
しかし、これまで、この電子が加速されるメカニズムについては、NASAのMMS衛星群、Polar、FAST(Polar、FASTはすでに運用終了)などの人工衛星による観測から、アルベーン波によるものであることが示唆されていましたが、人工衛星による測定の限界から、確証は得られていませんでした。
■アルベーン波による電子の加速を実験的に立証物質は温度が高くなるにつれて固体→液体→気体→プラズマと状態を変えていきますが、個体、液体、気体と同じようにプラズマの中もさまざまな波が伝わっていきます。アルベーン波もそのようなプラズマの中を伝わっていく波の1種です。磁場が存在する場合にプラズマの中を磁力線に沿って伝わっていきます。
研究チームは、カリフォルニア大学の大型プラズマ装置(Large Plasma Device)を使って、コントロールされたプラズマ環境下においてアルベーン波により電子がどのように影響を受けるのか、精密に調べ、オーロラを発生させる地球磁気圏と同じ条件下でアルベーン波によって電子が加速される物理的なメカニズムを実験的に立証しました。
NASAによれば、そのメカニズムはサーフィンのようなものだといいます。サーファーが波に乗り加速していくように、電子も、アルベーン波に乗り、アルベーン波からエネルギーを得ることで、加速していくといいます。
NASAでは、これからも地球周辺における宇宙空間の探査を進めていく予定ですが、今回の研究成果は、この領域における物理モデルを改善し、また、よりよい観測装置を開発することを助けるだろうとしています。
Image Credit: NASA/Terry Zaperach/the University of Iowa Illustration by Austin Montelius.
Source: NASA/アイオワ大学
文/飯銅重幸
この記事に関連するニュース
-
9月15日は土星探査機「カッシーニ」のミッションが終了した日
sorae.jp / 2024年9月15日 20時55分
-
NASA火星探査ミッション「ESCAPADE」打ち上げ延期 2025年春以降に
sorae.jp / 2024年9月11日 10時55分
-
NASA火星探査ミッション「ESCAPADE」打ち上げ準備進む ニューグレンで2024年10月予定
sorae.jp / 2024年9月4日 16時47分
-
ジェフ・ベゾスの超大型ロケット「ニュー・グレン」、10月13日にも初打ち上げへ
マイナビニュース / 2024年9月3日 19時50分
-
東北大など、ブラックホールの降着円盤の謎だった乱流の物理的性質を解明
マイナビニュース / 2024年8月30日 18時57分
ランキング
-
1226kmを走破「世界一超人の91歳」その驚く肉体 20年間食べ続けてきた「食事メニュー」を公開
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 10時0分
-
2お財布も「ETCカード」も忘れて「高速」乗ったらどうなる!? つい「うっかり」が大ごとに? 二度と経験したくない「一部始終」とは
くるまのニュース / 2024年9月23日 7時10分
-
3年齢のわりに老けて見える人は「化粧水」を間違えている…潤うどころか肌をヨボヨボにする「危険成分」の名前
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 17時15分
-
4キレる妻に「そうだね、わかるよ」とヘタな共感はNG。「ちょっとトイレ行ってくる」が有効だと、ひろゆきが考える“ズルい”言いまわし
日刊SPA! / 2024年9月23日 8時46分
-
5現在使用しているエアコンのメーカーランキング! 2位「ダイキン」、1位は?
オールアバウト / 2024年9月22日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください