異常が発生したマレーシアの人工衛星「ミーアサット3」 原因はなおも調査中
sorae.jp / 2021年7月28日 17時48分
マレーシアの衛星オペレーターMeasat(以下、ミーアサット)社は、6月21日に異常に陥ったとされる通信衛星「ミーアサット3(MEASAT-3)」で提供していた放送事業主へのサービスを別の通信衛星へ移転させたと発表しました。
ミーアサット社は放送事業者に対して通信サービスや映像サービスを提供している企業です。同社は世界人口の約80%をカバーするアジア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなど150カ国以上にサービスを提供しており、NHKの英語放送「NHKワールドプレミアム」も同社の通信衛星を利用しています。
ミーアサット3の異常を最初に検知したのは地球軌道上のスペースデブリ(宇宙ゴミ)や人工衛星の混雑を監視する米国ExoAnalytic社の宇宙状況把握(SSA)システムで、同衛星が6月21日に静止軌道上の東経91.5度の位置から外れ、西に向かって漂流し始めたといいます。その後、同衛星は軌道を修正しようと軌道マヌーバを何度か試みたものの、7月1日以降、軌道マヌーバは確認されなくなったといいます。
ミーアサット社によると、ミーアサット3を活用したほぼすべての放送事業者に向けてのサービスは、同衛星と同じ東経91.5度の静止軌道にあるミーアサット社もしくは別の事業者が運用する通信衛星を用いることで復帰が完了したとのことです。
一方、ミーアサット3が異常をきたした根本原因については、製造を担当したボーイング社の「ボーイング衛星システム」(BSS)で詳しい調査が続けられています。また、ミーアサット社はほかの通信衛星との干渉を避けるためにミーアサット3のトランスポンダ(応答装置)を停止させており、同衛星の位置を追跡するために米国国防総省が運営するSSAシステム「Space-Track.org」経由で連合宇宙運用センター(CSpOC:Combined Space Operations Center)に位置を通知。同衛星の軌道上の位置をほかの衛星オペレーターに知らせるとのことです。
Image Credit: Measat
Source: Via Satellite, SPACENEWS, Measat
文/Misato Kadono
この記事に関連するニュース
-
“圏外のない社会”実現へ。スカパーJSATが衛星活用の「NTN」技術試験開始
マイナビニュース / 2024年11月22日 14時5分
-
次世代の小型静止衛星を製造・運用する Astranis Space Technologies Corp.へ出資
共同通信PRワイヤー / 2024年11月21日 15時31分
-
スペースX、詳細未公開の通信衛星「Optus-X」を打ち上げ
sorae.jp / 2024年11月18日 13時29分
-
将来は衛星の修理も!? 2025年打ち上げ予定の宇宙機「MRV」に搭載される2本のロボットアーム
sorae.jp / 2024年11月15日 21時37分
-
H3ロケット、3機連続打ち上げ成功 防衛通信衛星を搭載
マイナビニュース / 2024年11月5日 19時29分
ランキング
-
1「一人暮らしの老後」を充実させるコツ3つ
オールアバウト / 2024年11月28日 21時40分
-
2ホコリが積もると火事に…コンセント周辺の掃除をサボると危険! 確認すべき5つのポイント
オトナンサー / 2024年11月28日 20時10分
-
3日本株に“トランプ・ショック”直撃か…「関税引き上げ」に国内経済界は戦々恐々
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月28日 16時3分
-
4『推しの子』終盤展開の問題 実写やアニメで「改変」を望む声が出ているのは何故なのか
マグミクス / 2024年11月28日 20時55分
-
5急な「めまい」発作の"引き金"となる6つの要因 とくに急激な「気圧の変化」には注意が必要
東洋経済オンライン / 2024年11月28日 20時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください