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全長120m! スペースXのスターシップ試験機がブースターに搭載される

sorae.jp / 2021年8月8日 11時38分

 スーパーヘビー試験機「BN4」に搭載されたスターシップ試験機「SN20」。イーロン・マスク氏のツイートより(Credit: SpaceX/Elon Musk)

【▲ スーパーヘビー試験機「BN4」に搭載されたスターシップ試験機「SN20」。イーロン・マスク氏のツイートより(Credit: SpaceX/Elon Musk)】

日本時間2021年8月6日22時頃、スペースXはテキサス州ボカチカの同社施設「スターベース」において、開発中の大型宇宙船「スターシップ(Starship)」の無人試験機「SN20」を、スターシップの軌道飛行時に用いられるブースター「スーパーヘビー(Super Heavy)」の試験機「BN4」に初めて搭載しました。スーパーヘビーを含むスターシップの全長は120mで、これはアポロ計画で使われた「サターンV」ロケットの全長110.6mを上回ります。

スターシップは全長50m、直径9mの再利用型宇宙船です。全長70mのスーパーヘビーと組み合わせることで旅客輸送用のクルー型なら100名を、貨物輸送用のカーゴ型なら100トンのペイロード(人工衛星や貨物などの搭載物)を地球低軌道に打ち上げる能力を備えており、タンカー仕様のスターシップから推進剤の補給を受けることで月や火星にも飛行可能とされています。

これまでスターシップはスーパーヘビーを用いない単体での高高度飛行試験を5回実施しており、2021年5月6日に実施された「SN15」による飛行試験では機体を喪失することなく無事着陸に成功しました。

関連:着陸後も爆発せず! スペースX「スターシップ」5回目の高高度飛行試験に成功

単体での高高度飛行試験成功に続き、スペースXはスーパーヘビーを用いたスターシップの軌道飛行試験を計画しています。最初の飛行では地上への着陸は試みられず、打ち上げ中に分離したスーパーヘビーはメキシコ湾に、宇宙空間に到達したスターシップは打ち上げから約90分後にハワイ諸島のカウアイ島の沖合へ、それぞれ着水する予定です。

搭載作業の様子をTwitterに投稿したスペースXのイーロン・マスク氏は、感想を求めたCNBCのマイケル・シーツ氏に対して「Dream come true」(夢がかなう)とコメントしています。

Dream come true

— Elon Musk (@elonmusk) August 6, 2021

なお、今回の搭載は一時的なもので、BN4との結合部分のチェックを終えた後にSN20は再び地上へ降ろされ、同施設内のハイベイ(組み立て作業棟)に戻されました。今後は大気圏再突入時にスターシップの機体を保護する耐熱タイルの取り付け作業の仕上げ、29基搭載されているBN4のエンジンの熱防護、地上設備の燃料貯蔵タンクなど4つの重要な要素が必要になるとマスク氏はツイートしています。

また、Space.comによると、スターシップの打ち上げに関するアメリカ連邦航空局(FAA)の環境レビューも未完了とされており、スターシップ初の軌道飛行試験実施にはまだしばらく時間がかかりそうです。

発射台のタワーから撮影されたスターシップ試験機「SN20」とスーパーヘビー試験機「BN4」。イーロン・マスク氏のツイートより(Credit: SpaceX/Elon Musk)

【▲ 発射台のタワーから撮影されたスターシップ試験機「SN20」とスーパーヘビー試験機「BN4」。イーロン・マスク氏のツイートより(Credit: SpaceX/Elon Musk)】

 

Image Credit: SpaceX/Elon Musk
Source: Elon Musk (Twitter) / NASASpaceFlight.com / Space.com
文/松村武宏

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