アリアン5ロケット、2機の通信衛星を軌道に投入 約1年ぶりの打ち上げに
sorae.jp / 2021年8月10日 17時38分
アリアンスペース社は、現地時間7月30日、「アリアン5」ロケットで2機の民間通信衛星を打ち上げました。アリアン5ロケットが打ち上げられるのは、昨年8月以来、約1年ぶりとなります。ロケットの発射は、フランス領ギアナのクールーにあるギアナ宇宙センターから行われました。搭載された2機の通信衛星は、打ち上げから30分後、36分後にそれぞれ分離され、静止トランスファ軌道(GTO)に投入されました。
なお、今年度末にはアリアン5ロケットがNASAのハッブル宇宙望遠鏡の後続機である「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の打ち上げに使用されることになります。
今回、ロケットに搭載された通信衛星2機は、ブラジルの通信衛星「Star One D2」とフランスの通信衛星「EUTELSAT QUANTUM」です。Star One D2は、ブラジルの通信会社Embratel Star Oneが運用します。衛星にはKu, Ka, C, Xバンドのトランスポンダーを搭載し、中央アメリカや南アメリカ地域にインターネットアクセスなどを提供するということです。改良されたXバンドは、今後政府利用されると見られています。また、この衛星はMaxarが製造しました。
フランスの通信衛星「EUTELSAT QUANTUM」は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)との共同開発により、Eutelsat社とAirbus Defence and Space社が運用します。軌道上で再プログラムができる画期的な衛星で、様々なユーザーの要求に応えることが可能だということです。
今回、アリアン5ロケットのペイロードフェアリングに改良を施したとSpaceflight.nowが報道しています。ロケットが大気中を飛行する数分間の間、衛星への振動を減らすことが目的です。分析の結果、振動が減っていることを確認したということです。
今後の打ち上げについては11月または12月にアリアン5ロケットでジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ、その前にもう一度打ち上げがあると見られています。
Image Credit: ArianSpace
Source: ArianSpace/ SpaceNews/ Spaceflight.now
文/出口隼詩
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