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地球からは見ることができない「三日月型の海王星」ボイジャー2号が撮影

sorae.jp / 2021年8月15日 20時59分

ボイジャー2号が撮影した海王星と、その衛星トリトン(Credit: NASA, Voyager 2)

【▲ ボイジャー2号が撮影した海王星と、その衛星トリトン(Credit: NASA, Voyager 2)】

今から40年以上も前、NASAの無人宇宙探査機「ボイジャー」1号と2号が打ち上げられました。

ボイジャーは木星などの惑星を探査することを目的としており、木星・土星を探査した後、ボイジャー2号は地球からさらに遠く離れた天王星・海王星を探査しました。ボイジャーの活躍は宇宙関係の一般書にも昔から載っているため、見覚えのある方も多いかもしれません。その後も2機は航行を続け、2018年にはボイジャー2号が「太陽圏」を離脱したというニュースもありました(詳細は最後にある関連記事をご覧ください)。

この画像はそのボイジャー2号が撮影した海王星と、その衛星「トリトン」の様子です。海王星というとよくある画像が正面から見た青く丸いものですが、この画像ではそのような色にはなっておらず、しかも三日月のような形に見えています。ボイジャー2号は1989年に海王星にもっとも接近しましたが、この画像はその直後、海王星の背後から撮影されたものです。

三日月型に見える理由は、太陽と海王星、ボイジャー2号の位置関係にあります。地球で太陽系の惑星を観測すると、例えば地球より内側(太陽に近い側)にある金星は満ち欠けしますが、外側にある惑星は満ち欠けしません。このときのボイジャー2号は海王星よりさらに外側から撮影しているため、このような三日月型に見えているのです。また、ボイジャー2号から見ると太陽の光のうち青い光が前方に散乱してしまい、青い色が失われたように見えています。

ボイジャーが40年以上も稼働を続けているのは驚きですが、以前にもお伝えしたようにボイジャーに搭載されている電池の寿命があと数年と見られています。ボイジャーは人工物がまだ到達したことのない場所を航行し続けており、さらなる成果が期待できそうです。

 

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・「ボイジャー2号」太陽圏の最外部を抜け星間空間に到達
・【解説】ボイジャーが到達した星間空間との境界とは
・「ボイジャー2号」の海王星フライバイ探査からまもなく30周年

Image Credit: NASA, Voyager 2
Source: NASA
文/北越康敬

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