南天の夜空に輝く羊毛のような渦巻銀河「NGC 7793」の姿
sorae.jp / 2021年9月10日 22時20分
こちらは南天の「ちょうこくしつ座」(彫刻室座)の方向およそ1200万光年先にある銀河「NGC 7793」です。明るい中央のバルジ(銀河バルジ)を取り囲む青い星々が目立つ銀河円盤、そのあちこちに分布する塵が豊富なダストレーン(ダークレーン)といった特徴は渦巻銀河にみられるものですが、渦巻銀河最大の特徴である渦巻腕ははっきりしておらず、輪郭も不明瞭に広がっているような印象を受けます。
米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、NGC 7793はその形態から「flocculent spiral galaxy」(flocculentは「羊毛状の」「綿状の」)と呼ばれる渦巻銀河の一つとされています。羊毛状の渦巻銀河はNGC 7793の他にも「NGC 2775」や「NGC 4237」などが知られています。これらの銀河の姿は、同じ渦巻銀河でもはっきりとした渦巻腕を持つことから「グランドデザイン(grand design)渦巻銀河」とも呼ばれる「M51」や「M83」などの姿とは対照的です。
関連
・羊毛のような姿の渦巻銀河はどのようにして作られたのか?
・「南の回転花火銀河」と呼ばれる”うみへび座”の渦巻銀河M83
冒頭の画像はチリのセロ・パチョンにあるジェミニ天文台の「ジェミニ南望遠鏡」によって撮影されたもので、NOIRLabの今週の画像「A Very Wooly Galaxy」として2021年9月8日付で公開されています。
関連:星の形成を活発化させる銀河の相互作用、さんかく座で輝く銀河のペア
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA
Acknowledgment: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
Source: NOIRLab
文/松村武宏
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