火星のエオス谷に残る大規模な地滑りの跡。観測開始から15年のNASA探査機が撮影
sorae.jp / 2021年9月30日 11時8分
こちらは火星の「エオス谷」(Eos Chasma)と呼ばれる谷のうち、谷底に近い斜面の一部を高度265kmから捉えた画像です。観測開始から今年で15年となるアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」によって撮影されました。
画像を公開したアリゾナ大学の月惑星研究所(LPL)によると、有名な「マリネリス峡谷」(Valles Marineris)の東に位置するエオス谷では、大規模な地滑りによって谷の斜面から谷底へ(画像では左上が谷底の方向)と様々な岩石が混ざり合いながら運ばれていったといいます。過去の観測ではこの付近に火成鉱物の一種である直方晶系(斜方晶系)の輝石が通常以上に集まっていることがわかっていたといいますが、MROの観測データは他にも多様な鉱物が存在することを示しているといいます。
2005年8月に打ち上げられたMROは2006年5月に火星へ到着し、同年11月から2008年11月にかけて「プライマリーサイエンスフェーズ」と呼ばれる最初の探査活動を行いました。LPLによると、この画像はプライマリーサイエンスフェーズが始まった2006年11月に撮影が申請されたものの、マリネリス峡谷とその周辺には数多くの観測対象があったため、2021年7月23日になってようやく撮影することができたといいます。申請から15年近くが経ったものの、LPLによる画像の解説には「待つだけの価値がありました!」と付け加えられています。
冒頭の画像はMROの高解像度撮像装置「HiRISE」(The High-Resolution Imaging Science Experiment)による観測データから作成されたもので、HiRISEの今日の一枚「A Colorful Landslide in Eos Chasma」として2021年9月22日付で公開されています。
関連:火星の奇妙な砂丘。氷が描き出した模様と並ぶ窪地、NASA探査機が撮影
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
Source: LPL
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
火星の衛星は崩壊した小惑星の破片から形成された? 新たな研究が示唆
sorae.jp / 2024年11月22日 21時7分
-
ボイジャー2号が観測した天王星は確率4%のめずらしい状態だった可能性 太陽活動の影響か
sorae.jp / 2024年11月15日 11時2分
-
あけおめ!? 2024年11月12日から火星の新しい1年が始まる
sorae.jp / 2024年11月12日 21時0分
-
NASA火星探査車Perseveranceが撮影したパノラマ 3年半の探査活動がこの1枚に
sorae.jp / 2024年11月4日 21時56分
-
光合成をする微生物が火星表面下の“水たまり”で生存できる可能性 最新の研究が示唆
sorae.jp / 2024年11月2日 22時33分
ランキング
-
1日本株に“トランプ・ショック”直撃か…「関税引き上げ」に国内経済界は戦々恐々
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月28日 16時3分
-
2「高齢で廃業」店内に放置された犬19匹、ふん尿にまみれ…荒稼ぎしたブリーダー業の末路に「胸が痛い」
まいどなニュース / 2024年11月28日 7時50分
-
3ホコリが積もると火事に…コンセント周辺の掃除をサボると危険! 確認すべき5つのポイント
オトナンサー / 2024年11月28日 20時10分
-
4「俺、無精子症だから」と避妊してくれない彼。生理が来ないことを告げると“まさかの反応”
女子SPA! / 2024年11月28日 15時47分
-
5年収1,000万円なんてこんなもん…42歳で部長に抜擢の〈大企業エリート〉。質素すぎる毎日に、部下「夢がない」「このままこの会社にいても」と絶望
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください