若き巨大な星々を囲むスーパーバブル、ハッブルが撮影した大マゼラン雲の輝線星雲
sorae.jp / 2021年11月8日 21時31分
こちらは南天の「かじき座」の方向にある輝線星雲「LHA 120-N 44」(以下「N44」)です。輝線星雲とは、恒星が放射する紫外線が電離させたガスによって輝いている星雲のこと。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、N44は地球からおよそ17万光年離れた「大マゼラン雲」(LMC:Large Magellanic Cloud、大マゼラン銀河)に位置しており、差し渡しおよそ1000光年に渡って広がっています。
特に目を引くのは、画像の中央上寄りにあるぽっかりと開いた穴のような構造ではないでしょうか。これは「スーパーバブル(Superbubble)」と呼ばれる泡状の構造で、約250光年の幅があるといいます。NASAによればスーパーバブルの成因には謎が残されており、その内部にある大質量星の強力な恒星風によってガスが吹き払われたか、かつて存在していた星が起こした超新星爆発によって形成されたことが考えられるといいます。
また、スーパーバブルの右下(時計で表現すれば5時の方向)にはひときわ明るく輝く領域が存在しています。NASAによると、ここはN44のなかでも最も温度が高い部分であり、激しい星形成活動が起きているようです。恒星としては短命な大質量星の誕生と死、そして星の材料となるガスが一体となって描き出したこの光景は、宇宙のダイナミックな一面を象徴しているかのようです。
冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡によって撮影されたもので、NASAから2021年11月2日付で公開されています。
関連:漆黒の宇宙にぎらつく目。2021年のハロウィンを祝うハッブルの画像が公開される
Image Credit: NASA, ESA, V. Ksoll and D. Gouliermis (Universität Heidelberg), et al.; Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)
Source: NASA
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“うしかい座”の渦巻銀河「UGC 9684」
sorae.jp / 2024年5月7日 21時27分
-
ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した暗黒星雲「馬頭星雲」のクローズアップ
sorae.jp / 2024年5月1日 20時42分
-
X線宇宙望遠鏡が見た超新星残骸「かに星雲」&「カシオペヤ座A」のタイムラプス
sorae.jp / 2024年4月29日 20時50分
-
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ34周年記念画像は惑星状星雲「M76」
sorae.jp / 2024年4月26日 20時56分
-
優雅に渦巻く“ケンタウルス座”の棒渦巻銀河「NGC 3783」 ハッブル宇宙望遠鏡で撮影
sorae.jp / 2024年4月16日 21時36分
ランキング
-
1「スバ川立」「ターャジス」… 救急車はもはや何かの暗号? なぜ“読みにくい”のか
乗りものニュース / 2024年5月11日 14時12分
-
2元銀行員が語る!損しない「ATM」の利用方法
オールアバウト / 2024年5月11日 21時40分
-
3【注意】母の日に贈ってはいけない「カーネーション」の色は? NGカラーは3色あった!
オールアバウト / 2024年5月10日 21時15分
-
4“激安焼肉食べ放題店”の元店員が暴露。「客に“得させないようにする”3つのワナ」
日刊SPA! / 2024年5月8日 15時54分
-
5メルカリ歴10年の専門家が「実際に売れて驚いたもの」3選 思った以上に高値で売れたものも紹介
Fav-Log by ITmedia / 2024年5月11日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください