1億5000万光年先の渦巻銀河「NGC 976」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2022年1月10日 22時29分
こちらは「おひつじ座」の方向およそ1億5000万光年先にある渦巻銀河「NGC 976」です。先日公開された「NGC 105」と同じように、多くの星々が集まる明るい銀河バルジを中心に、若く高温な青い星々の散らばる渦巻腕が穏やかに渦巻いているNGC 976の姿が、画像には精細に捉えられています。
関連:ハッブル宇宙望遠鏡が撮影、穏やかに渦巻く”うお座”の銀河「NGC 105」
NGC 976では1999年9月に超新星「SN 1999dq」(Ia型)が検出されています。晩年を迎えた大質量星のコア(中心部)が崩壊したり、連星をなす白色矮星に恒星のガスが降り積もったりすることで起きるとされる超新星爆発は、壮大な星の死であると同時に、その後に誕生する恒星や惑星といった天体の材料となる物質を生成・放出する現象でもあります。私たちの身体を形作る炭素・酸素・窒素といった元素も、かつてこの宇宙に存在していた恒星内部の核融合反応で生成されたものなのです。
冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」による可視光線・赤外線の観測データから作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚「Galactic Tranquility」として、欧州宇宙機関(ESA)から2022年1月10日付で公開されています。
なお、アメリカ航空宇宙局(NASA)の発表によると、ハッブル宇宙望遠鏡は今年に入って軌道投入から「10億秒」が経過しました。ハッブル宇宙望遠鏡は1990年4月24日に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー」によるSTS-31ミッションで宇宙へと運ばれ、同年4月26日4時38分頃(日本時間)にロボットアーム「カナダアーム」を使って地球低軌道に投入されています。
NASAによれば、10億秒を迎えたのは現地時間2022年1月1日とのこと(日本時間では2022年1月2日6時25分頃、カシオの「高精度計算サイト」にて算出)。NASAは発表にて先日打ち上げに成功した「ジェイムズ・ウェッブ」や、2020年代半ばの打ち上げが計画されている「ナンシー・グレース・ローマン」といった次世代の宇宙望遠鏡に触れ、今はまだ想像することしかできない「これからの10億秒」でもたらされる発見に期待を述べています。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Jones, A. Riess et al.
Source: ESA/Hubble / NASA / NTRS
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
緻密で柔らかそうな印象の渦巻銀河「NGC 2090」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年11月25日 21時46分
-
溶け合うような“かみのけ座”の相互作用銀河 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年11月11日 21時13分
-
どこかに写っている超新星 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した棒渦巻銀河「NGC 1672」
sorae.jp / 2024年11月6日 21時47分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 2021年と2023年に超新星が見つかった渦巻銀河「NGC 4414」
sorae.jp / 2024年11月2日 18時41分
-
じーっと見つめる目のような相互作用銀河 ハロウィンにあわせNASAやESAが紹介
sorae.jp / 2024年11月1日 16時58分
ランキング
-
1「無性にコーヒーが飲みたい…」 実は鉄分不足が原因? 疲労増&集中力低下も
オトナンサー / 2024年11月27日 8時10分
-
2「トイレでスマホ」が招く危険...長時間座りっぱなしの健康リスクとは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 17時50分
-
3「小銭入れると落ちる恐れ」 しまむらの新作財布に不具合……「申し訳ございません」 販売中止に
ねとらぼ / 2024年11月27日 19時20分
-
4カワノアユミの盛り場より愛を込めて なぜ外国人が日本人女性を買う現象が起きたか 国内外で波紋…「東京はアジアの新しいセックス観光の首都?」と題する香港紙記事
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月28日 6時30分
-
5踏んで固定、ドアを外に押すと解除。もうこれ「ドアストッパー」の理想形かも
&GP / 2024年11月28日 6時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください