天の川銀河「最古の構造」恒星ストリーム「C-19」を発見
sorae.jp / 2022年1月24日 21時0分
スペインのアストロフィカ・デ・カナリアス研究所は1月5日、スペインのアストロフィカ・デ・カナリアス研究所の研究者も参加する研究チームが、天の川銀河でも最も古い構造となる恒星ストリーム「C-19」を発見したと発表しました。研究チームによれば、C-19は球状星団の名残だといいます。
球状星団は数十万個の恒星がほぼ球状に集まった星団です。とても古く、銀河の辺縁部などに分布しています。
恒星の流れである恒星ストリーム「C-19」はこの球状星団の名残です。球状星団が天の川銀河の重力によって引き延ばされたものになります。
で、重い元素は恒星内部の核融合反応や超新星爆発などによって少しづつつくられて宇宙に拡散していきます。そのため、恒星がどれくらい重い元素を含んでいるか調べると、その恒星がいつ誕生したのか解ります。重い元素を多く含んでいる恒星は比較的に新しく、重い元素を少なく含んでいる恒星は比較的に古いということになります。
そこで、研究チームは「C-19」を構成する恒星について、それに含まれる重い元素の量を調べたところ、非常に少なく、これまで天の川銀河でみつかっているもののなかでも、最も古い構造であることが解りました。その重い元素の含有量は太陽の0.04%ほどしかありませんでした。
研究チームは、このような研究成果を、ESA(欧州宇宙機関)のガイア位置天文衛星やカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFHT)など複数の地上の望遠鏡の観測データを組み合わせることで成し遂げました。
アストロフィカ・デ・カナリアス研究所から研究に参加したカルロス・アジェンデさんは「今回の発見は天の川銀河の進化の最も初期の段階についてのよりよい理解につながるものです」とコメントしています。
Image Credit: Image Credit:Gabriel Pérez Díaz (SMM, IAC)./N. Martin & Observatoire Astronomique de Strasbourg; Canada-France-Hawaii Telescope / Coelum; ESA/Gaia/DPAC.
Source: アストロフィカ・デ・カナリアス研究所(プレスリリース)/論文
文/飯銅重幸(はんどうしげゆき)
この記事に関連するニュース
-
きらめく大小の銀河たち ダークエネルギーカメラが撮影した“ポンプ座”の銀河団
sorae.jp / 2025年1月3日 21時2分
-
ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した“とも座”の渦巻銀河「NGC 2566」
sorae.jp / 2024年12月27日 21時0分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“くじら座”の棒渦巻銀河「NGC 337」
sorae.jp / 2024年12月23日 22時15分
-
クエーサー「3C 273」の知られざる構造 ハッブル宇宙望遠鏡の観測で発見
sorae.jp / 2024年12月10日 19時34分
-
Kavli IPMU、初期宇宙の楕円銀河内で星形成による球状構造形成の証拠を発見
マイナビニュース / 2024年12月9日 11時18分
ランキング
-
1あおり運転が原因で大人3人が涙…「あおってきた意外な人物」とその理由とは
日刊SPA! / 2025年1月5日 8時52分
-
2ストローが万能アイテムだったとは! ぐちゃぐちゃコード類すっきり キーホルダー装着もカンタン
まいどなニュース / 2025年1月4日 16時0分
-
3優しくして「舐められる人」「慕われる人」の境界線 「自分を犠牲にする優しさ」をふるまわなくていい
東洋経済オンライン / 2025年1月5日 11時0分
-
4脳疲労の具合は頭を触ることで確かめられる 過去への後悔、スマホ閲覧、スポーツでも脳は疲労する
東洋経済オンライン / 2025年1月5日 13時0分
-
5「写真・アルバムをどうしても捨てられない」問題が解決。気持ちよく整理がはかどる5つのステップ
女子SPA! / 2025年1月5日 8時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください