地球を見つめる「目」の様な渦巻銀河 ダークエネルギーカメラが撮影
sorae.jp / 2022年2月9日 21時25分
こちらは南天の「かじき座」の方向およそ5000万光年先にある渦巻銀河「NGC 1672」の姿。画像には中心部分を貫く棒状構造や、その周囲を取り巻く渦巻腕の様子が明瞭に捉えられています。地球に対して正面に近い角度を向けたNGC 1672の明るい中心部分は、こちらを見つめる目を思わせます。
画像を公開した米国科学財団の国立光学・赤外天文学研究所(NSF/NOIRLab)によると、NGC 1672は狭い領域から強い電磁波を放射する活動銀河核(AGN)を持つことが知られており、NGC 1672自身は活動銀河の一種であるセイファート2型に分類されています。また、NGC 1672の銀河中心核は若く明るい星で満ちた高温ガスのリングに取り囲まれているといいます。
なお、NGC 1672の周囲に写る無数の光点は、その多くが遥か遠方に存在する銀河の輝きです。形態が判別できないほど小さく写る銀河にも数百億、数千億の星々があり、それぞれの歴史を歩んでいると思うと、宇宙の広大さに気が遠くなりそうです。
この画像はチリのセロ・トロロ汎米天文台にあるブランコ4m望遠鏡に設置された観測装置「ダークエネルギーカメラ(DECam)」の観測データから作成されたもので、NOIRLabから2022年2月2日付で公開されました。
ダークエネルギー(暗黒エネルギー)の研究を主な目的として開発されたダークエネルギーカメラは満月約14個分の広さ(3平方度)を一度に撮影できる巨大なデジタルカメラ(画素数約520メガピクセル)のような装置で、2013年から2019年にかけて観測が実施されています。
関連:超大質量ブラックホール形成の謎を解く手がかり、矮小銀河Mrk462で発見
Source
Image Credit: Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)) NOIRLab - A Galactic Vortex文/松村武宏
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