雲のように淡く広がった天体「超淡銀河」その特徴とは
sorae.jp / 2022年4月26日 21時10分
こちらは「うみへび座」の方向約40億光年先にある銀河「GAMA 526784」の姿です。といっても、どれがその銀河なのか、すぐにはわからない人もいるのではないでしょうか。画像中央のやや左側に写っている雲のように淡く広がった天体、これがGAMA 526784です。
GAMA 526784は「超淡銀河」(UDG:Ultra-Diffuse Galaxy、超拡散状銀河)と呼ばれているタイプの銀河です。超淡銀河は非常に薄く広がった銀河で、星の数は天の川銀河の100分の1以下。その大きさや形態は多様で、矮小楕円銀河(小さく暗い楕円銀河)に似た丸くなめらかな形を持つものもあれば、他の銀河との相互作用によって形がゆがんでいるものもあるといいます。
関連:星が少なくて薄く広がった「超淡銀河」は銀河団ガスとの衝突によって形成された?
画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、超淡銀河には幾つかの特徴がみられるといいます。
一つは暗黒物質(ダークマター)の量。銀河の質量のうち、私たちが知覚できる通常の物質(バリオンと呼ばれる)が占める割合は低く、大半は暗黒物質だとされています。しかし超淡銀河の場合、暗黒物質が占める比率がとても高いものもあれば、反対にとても低いものも見つかっているといいます。また、他のタイプの銀河では見られない明るい球状星団が豊富に存在することも、超淡銀河の特徴の一つとされています。
冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」を使って取得された画像(可視光線と赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されたもので、ESAから2022年4月25日付で公開されています。なお、ESAによれば、ハッブル宇宙望遠鏡は超淡銀河の特性を明らかにするために実施された一連の観測にてGAMA 526784の画像を取得しており、この銀河に散在する小さな星形成領域のサイズや年齢を調べる上で役立ったとのことです。
関連:「天使の翼」ハッブルが撮影。この歪んだ銀河の正体は
Source
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. van der Burg; Acknowledgement: L. Shatz ESA/Hubble - Hubble Spies a Tenuous Diffuse Galaxy文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
その間隔わずか約300光年 近接した超大質量ブラックホールのペアをハッブル宇宙望遠鏡が観測
sorae.jp / 2024年9月20日 21時0分
-
銀河団に現れた“宇宙のクエスチョンマーク” ウェッブ宇宙望遠鏡が観測
sorae.jp / 2024年9月16日 20時52分
-
とても淡い・・・矮小楕円体銀河「アンドロメダ座III」
sorae.jp / 2024年9月4日 20時0分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 “ぼうえんきょう座”の渦巻銀河「IC 4709」
sorae.jp / 2024年9月3日 21時3分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した小マゼラン雲の散開星団「NGC 346」
sorae.jp / 2024年8月30日 21時56分
ランキング
-
1ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
2朝コレを飲んでブランチをとると「長寿遺伝子」が活性化する…簡単にできる「プチ断食」のやり方
プレジデントオンライン / 2024年9月21日 15時15分
-
3効果的な腸活には「野菜よりお米」が欠かせない 日本人の遺伝子はご飯を食べるのに適している
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 19時0分
-
4超一流パティシエも"満場一致"の大絶賛。「完璧」「これは本物」ローソンで食べるべき絶品スイーツとは。
東京バーゲンマニア / 2024年9月17日 18時46分
-
5“自慢の彼女”は、実は上司の…「最初から仕組まれていた」ゲスすぎる策略とは?
日刊SPA! / 2024年9月21日 15時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください