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国際宇宙ステーションから眺めた層状の地球大気。シルエットは懐かしい宇宙船

sorae.jp / 2022年4月29日 21時20分

2010年に国際宇宙ステーションから撮影された画像。層状の大気とスペースシャトル「エンデバー」が写っています(Credit: NASA, Expedition 22 Crew)

【▲2010年に国際宇宙ステーションから撮影された画像。層状の大気とスペースシャトル「エンデバー」が写っています(Credit: NASA, Expedition 22 Crew)】

深い海の底に住む生き物がいるように、私たち人間は「大気」と呼ばれる層状の気体(空気)の底に住んでいます。

地球表面を覆っている大気の存在する領域が「大気圏」で、その外側が「宇宙空間」になります。大気圏は一般的に「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」「外気圏」の5つの層(大気の鉛直構造)に分けられます。一番外側の「外気圏」は高度500kmを超えていて、こちらのイラストには描かれていません。

大気の鉛直構造のイラスト(Credit: JAXA)

【▲大気の鉛直構造のイラスト(Credit: JAXA)】

私たちは大気圏を「空」と捉え、その外側を「宇宙」と捉えることが多いですが、その境界は曖昧です。国際航空連盟によると、高度100kmから上を宇宙と定義しています。この定義に従えば、高度400km前後を飛行している国際宇宙ステーション(ISS)は宇宙を飛んでいることになりますが、熱圏の中にあるので、まだ空(大気圏)を飛んでいるとも言えます。

大気圏の区分は温度の変化が基準になっています。さらに気圧や空気の成分のちがいなども反映しています。私たちは、最も下層の対流圏に住んでいるため、そこで発生するさまざまな気象現象を知覚し、気候を肌で感じることができます。

しかし、晴れた日に、青い空をどんなに目を凝らして見ても、成層圏や中間圏を見ることはできません。ところが、国際宇宙ステーションからは、その存在を見ることができる場合があります。冒頭の画像がその一つです。

オレンジ色に見えるのが最下層の対流圏(Troposphere)、白っぽく見えるのがその上の成層圏(Stratosphere)、さらにその上の青く見えるのが中間圏(Mesosphere)。中間圏から成層圏を突き刺すように写っているシルエットがスペースシャトル「エンデバー」(Credit: NASA, Expedition 22 Crew)

【▲オレンジ色に見えるのが最下層の対流圏(Troposphere)、白っぽく見えるのがその上の成層圏(Stratosphere)、さらにその上の青く見えるのが中間圏(Mesosphere)。中間圏から成層圏を突き刺すように写っているシルエットがスペースシャトル「エンデバー」(Credit: NASA, Expedition 22 Crew)】

オレンジ色に見えるのが最下層の対流圏(Troposphere)、白っぽく見えるのがその上の成層圏(Stratosphere)、さらにその上の青く見えるのが中間圏(Mesosphere)です。中間圏から成層圏を突き刺すように写っているシルエットは、懐かしいスペースシャトル「エンデバー」です。

この画像は2010年に撮影されたものですが、2022年4月17日付けのAPOD(Astronomy Picture of the Day)で紹介されました。

さらに、こちらの画像は今年の「アースデイ」(2022年4月22日)に因んでNASAが掲載した画像です。タイトルは「A Sunrise Across Our World」(私たちの世界の日の出)。やはり国際宇宙ステーションから撮影された画像で、地平線上のシルエットは南シナ海に浮かぶ雲とのこと。

アースデイに因んで掲載された「A Sunrise Across Our World」(私たちの世界の日の出)。地平線上のシルエットは南シナ海に浮かぶ雲。(Credit:NASA)

【▲アースデイに因んで掲載された「A Sunrise Across Our World」(私たちの世界の日の出)。地平線上のシルエットは南シナ海に浮かぶ雲。(Credit:NASA)】

アースデイは、地球や地球環境について、あらためて思いを馳せる日です。大気圏は、地球の半径の2%にも満たない薄い空気の層ですが、呼吸に必要な酸素を供給し、宇宙からの危険な放射線を遮断するなど、さまざまな形で私たち人間の生活や、地球上に住む生き物を支えているのです。

 

関連:わたしたちが地球に住んでいることに感謝する理由 NASAが9天体と比較、解説

Source

Image Credit: NASA, Expedition 22 Crew, JAXA APOD, JAXA(ファン!ファン!JAXA!), NASA

文/吉田哲郎

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