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グランドデザイン渦巻銀河「M99」ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

sorae.jp / 2022年5月9日 21時16分

渦巻銀河「M99」(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Kasliwal, J. Lee and the PHANGS-HST Team)

【▲ 渦巻銀河「M99」(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Kasliwal, J. Lee and the PHANGS-HST Team)】

こちらは「かみのけ座」の方向約4200万光年先にある渦巻銀河。18世紀にフランスの天文学者シャルル・メシエがまとめた「メシエカタログ」には「M99(Messier 99)」として登録されています。

M99は明瞭な渦巻腕(渦状腕)を持つことから、はっきりと目立つ渦巻腕がある「グランドデザイン渦巻銀河」(grand design spiral galaxy)に分類されています。この画像にはM99の全体像こそ捉えられていないものの、画像の中央上から左下にかけて湾曲しながら伸びていく力強い渦巻腕が写っています。

画像を撮影したのは「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」です。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブルのWFC3は2つの異なる研究のためにM99を観測する機会があったといいます。

1つは、激しい爆発現象である「新星」と「超新星」のギャップを調べるための研究。もう1つは、近傍宇宙の銀河を対象とした観測プロジェクト「PHANGS」(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS)です。ハッブル宇宙望遠鏡は、新星と超新星の中間にあたる明るさで輝く理論上予測されていた現象の観測や、銀河における星形成を理解するために実施された観測の一環として、M99の画像を取得したとのことです。

冒頭の画像はWFC3を使って取得された画像(紫外線・可視光線・赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2022年5月2日付で公開されています。

【▲ ヨーロッパ南天天文台(ESO)から2021年6月に公開されたM99の全体像(Credit: ESO)】

【▲ ヨーロッパ南天天文台(ESO)から2021年6月に公開されたM99の全体像(Credit: ESO)】

 

関連:雲のように淡く広がった天体「超淡銀河」その特徴とは

Source

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Kasliwal, J. Lee and the PHANGS-HST Team ESA/Hubble - Hubble Sees Double in M99

文/松村武宏

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