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8億光年彼方にある奇妙な渦巻銀河のペアをハッブルが捉える

sorae.jp / 2022年5月27日 16時57分

【▲「IC 4271」(別名「Arp 40」)の画像。大きい方の銀河がⅡ型セイファート銀河(Credit:NASA, ESA, and B. Holwerda (University of Louisville Research Foundation, Inc.))】

【▲「IC 4271」(別名「Arp 40」)の画像。大きい方の銀河がⅡ型セイファート銀河(Credit:NASA, ESA, and B. Holwerda (University of Louisville Research Foundation, Inc.))】

こちらはハッブル宇宙望遠鏡が捉えた「IC 4271」(別名「Arp 40」)と呼ばれる、約8億光年の彼方にある興味深い渦巻銀河のペアです。銀河がペアを組んで踊っているようにも見えますが、小さな銀河は、セイファート銀河と呼ばれる活動銀河の一種である大きな銀河に重なっています。

セイファート銀河は、天文学者カール・キーナン・セイファート(Carl Keenan Seyfert)が1943年に発表した、非常に明るい輝線を持つ渦巻銀河についての論文に因んで名付けられました。現在では、全銀河の約10%がセイファート銀河の可能性があると言われています。

セイファート銀河は「活動銀河」と呼ばれる種類に属し、銀河の中心に超大質量ブラックホールがあり、物質を降着させて大量の放射線を放出しています。セイファート銀河の中心部は、可視光以外の光で観測したときに最も明るくなります。また、セイファート銀河は、そのスペクトルの幅によってⅠ型とⅡ型に分類されます。このペアの大きい方の銀河はⅡ型セイファート銀河で、赤外線と可視光の非常に明るい光源であることを意味しています。

そのためIC 4271の画像は、可視光と赤外線の波長帯が中心となっています。この画像の色は、主に可視光によるものですが、紫は紫外線、赤は近赤外線を表しています。

こちらはⅠ型セイファート銀河「NGC 1566」の画像。「スペインのダンサー」とも呼ばれています。

【▲Ⅰ型セイファート銀河「NGC 1566」の画像(Credit:NASA Goddard)】

【▲Ⅰ型セイファート銀河「NGC 1566」の画像(Credit:NASA Goddard)】

関連:南天“かじき座”の踊るようなグランドデザイン渦巻銀河「NGC 1566」

大宇宙という舞台で銀河はペアを組んだり、あるいはシングルで踊っていると思うと、微笑ましくなってきますね。

冒頭の画像は2022年5月20日付でNASAから公開されています。

 

Source

Image Credit: NASA, ESA, and B. Holwerda (University of Louisville Research Foundation, Inc.)、NASA Goddard NASA

文/吉田哲郎

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