ねじれたダークレーンを持つ特異銀河、どの様な研究に用いられる?
sorae.jp / 2022年5月31日 22時25分
こちらは「ハッブル」宇宙望遠鏡が撮影した「おおぐま座」の渦巻銀河「NGC 3718」です。NGC 3718の形は一般的な渦巻銀河と比べて大きく乱れていて、全体では引き伸ばされた「S」字のような姿をしています。
画像を公開したアメリカ航空宇宙局(NASA)によると、NGC 3718は15万光年ほど離れた場所にある別の銀河「NGC 3729」と重力を介して相互作用しており、形が乱れているのはそのためだと考えられています。1966年に天文学者のホルトン・アープがまとめた「特異銀河」(特異な形態を持つ銀河)のカタログ「アープ・アトラス」では、NGC 3718は「Arp 214」として収録されています。
NGC 3718の中央付近を捉えたハッブル宇宙望遠鏡の画像には、ねじれながら銀河を横切る暗い色合いをしたダストレーン(ダークレーン)の細部が写し出されています。ダストレーンはその名が示すように、銀河円盤のなかでも塵(ダスト)が濃く集まっている部分です。地球から見たNGC 3718の銀河中心核はダストレーンの向こう側にあるため、塵に遮られやすい可視光線や紫外線では観測するのが難しいといいます。
冒頭の画像は2022年5月24日付でNASAから公開されました。NASAによると、この画像は超大質量ブラックホールと銀河バルジの特性との間にある関係性や、銀河の中心から円盤構造に至る銀河スケールでの星形成を調査する研究の一環として、ハッブル宇宙望遠鏡を使って取得されたとのことです。
関連:8億光年彼方にある奇妙な渦巻銀河のペアをハッブルが捉える
Source
Image Credit: NASA, ESA, L. Ho (Peking University), and DSS; Image Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America) NASA - Hubble Views A Twisted Spiral文/松村武宏
※編集部の不手際で誤ったタイトルで公開してしまいました。5月31日23時過ぎに修正させていただきました。
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