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ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」有人飛行試験で搭乗する2名をNASAが発表

sorae.jp / 2022年6月21日 17時55分

【▲ ULAの「アトラスV」ロケットに搭載されたボーイングの宇宙船「スターライナー」を見上げるCFTのプライムクルーとバックアップクルー。左から:スニータ・ウィリアムズ飛行士、バリー・ウィルモア飛行士、マイケル・フィンク飛行士。OFT-2打ち上げ前日の2022年5月18日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

【▲ ULAの「アトラスV」ロケットに搭載され、OFT-2の打ち上げを待つボーイングの宇宙船「スターライナー」を見上げるCFTのプライムクルーとバックアップクルー。左から:スニータ・ウィリアムズ飛行士、バリー・ウィルモア飛行士、マイケル・フィンク飛行士。2022年5月18日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)は6月17日付で、ボーイングが開発中の新型宇宙船「CST-100 Starliner(スターライナー)」による有人飛行試験ミッション「CFT(Crew Flight Test)」でスターライナーに搭乗するクルーの再割り当てを発表しました。

NASAとボーイングは米国東部夏時間2022年5月18日から25日にかけて、スターライナーによる2回目の無人飛行試験ミッション「OFT-2(Orbital Flight Test 2)」を実施。ミッションは成功裏に終了しました。帰還したスターライナーのクルーモジュールは米国フロリダ州のケネディ宇宙センターにあるボーイングの施設に戻され、システムの点検と機体の検査を受けています。

NASAによればOFT-2のレビューはあと数週間続く予定で、次に計画されているスターライナー初の有人飛行となるCFTの打ち上げスケジュールは2022年7月末頃に判断される見込みです。

関連:新型宇宙船「スターライナー」着陸成功! 実用化に向けて一連の試験目標を達成

【▲ OFT-2打ち上げ前の記者会見に臨むCFTのプライムクルーとバックアップクルー。左から:バリー・ウィルモア飛行士、マイケル・フィンク飛行士、スニータ・ウィリアムズ飛行士。2022年5月18日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

【▲ OFT-2打ち上げ前の記者会見に臨むCFTのプライムクルーとバックアップクルー。左から:バリー・ウィルモア飛行士、マイケル・フィンク飛行士、スニータ・ウィリアムズ飛行士。2022年5月18日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

NASAの発表によると、2020年10月にCFTプライムクルーのコマンダーを任命されたNASAのバリー・ウィルモア(Barry "Butch" Wilmore)宇宙飛行士に加えて、CFTのバックアップクルーだったスニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)宇宙飛行士がプライムクルーのパイロットに任命されました。CFTのプライムクルーはウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士の2名となります。

ウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士はどちらも2回の宇宙飛行経験があり、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在も経験。両名はCFTのミッション中に2週間ほどISSに滞在します。また、CFTのバックアップクルーとして、以前CFTのプライムクルーに任命されていたマイケル・フィンク(Edward Michael Fincke)宇宙飛行士が訓練を受けていることも明らかにされています。

スターライナーはスペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」とともに、NASAのコマーシャルクループログラム(商業乗員輸送計画)のもとで開発がスタートした有人宇宙船です。2019年12月にはスターライナーの初飛行となる無人飛行試験ミッション「OFT」が実施されたものの、ソフトウェアの問題により計画されていた軌道に入ることができず、ISSへの到達を断念して地球に帰還。OFTで果たせなかったISSとのドッキングは、2022年5月のOFT-2で実現しました。

いっぽう、同時期に開発されたクルードラゴンは飛行試験も含めてすでに7回の有人飛行を実施しており、そのうち2回は民間人のみが搭乗したミッションです。また、2022年第4四半期の打ち上げが予定されているミッション「Polaris Dawn」では民間人による初の船外活動実施も計画されており、クルードラゴンは民間主導のミッションでも活用が進んでいます。

関連:スペースXの「クルードラゴン」で民間初の船外活動実施へ、宇宙飛行ミッション「ポラリス」発表

ボーイングはブルー・オリジンやシエラ・スペースなどと商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の建設計画に参加しており、同ステーションへの往復にスターライナーを用いることも想定されています。現在のISSやその後の商用宇宙ステーション時代へと続く民間の宇宙利用を支える有人宇宙船のひとつとして、スターライナーCFTの成功と運用開始が期待されます。

 

Source

Image Credit: NASA/Joel Kowsky NASA - NASA Updates Astronaut Assignments for Boeing Starliner Test Flight

文/松村武宏

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