超新星爆発の衝撃波で生まれた「ピンクの貝殻」。周囲には生命の起源物質も
sorae.jp / 2022年8月9日 21時38分
この画像は、地球からおよそ16万光年先に位置する大マゼラン雲にある超新星残骸「N132D」で、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡とチャンドラX線観測衛星のデータから作成されました。
超新星残骸とは、重い恒星などによる超新星爆発が起きた後に観測される天体のこと。超新星爆発にともなって発生した衝撃波が周囲へ広がり、ガスを加熱することで可視光線やX線といった電磁波が放射されています。
N132Dのピンク色で貝殻のような形状は、超新星爆発による高エネルギーの衝撃波と周囲の塵の衝突を表しており、周囲の緑に着色している箇所は、多環芳香族炭化水素 (polycyclic aromatic hydrocarbon:PAH) と呼ばれる小さな有機分子を示したものです。
NASAのJPL(ジェット推進研究所)が2007年に掲載した内容によると、PAHは生命の起源に関わる分子として知られ、彗星、星形成領域、原始惑星系円盤の周囲でも発見されているといいます。超新星残骸であるN132Dの周囲での検出は、生命を構成する有機分子が、超新星爆発という過酷な環境下でも生き延びていることになります。
約50億年前の初期の太陽系の近くで、超新星爆発が起こったといわれていますが、その爆発を生き延びたPAHが、地球の生命誕生に役立った可能性も考えられます。
冒頭の画像は、NASAが「超新星の衝撃波(A Supernova's Shockwaves)」として2022年7月19日付けで改めて紹介しています。
Source
Image Credit: X-ray: NASA/SAO/CXC; Infrared: NASA/JPL-Caltech/A. Tappe & J. Rho NASA、NASA/JPL文/吉田哲郎
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