ダークエネルギーカメラが捉えた散光星雲「NGC 6357」
sorae.jp / 2022年9月16日 21時12分
こちらは「さそり座」にある約8000光年先の散光星雲「NGC 6357」です。幅約400光年に渡って広がるNGC 6357は、若い大質量星の紫外線によって電離した水素ガスが赤い光を放つHII(エイチツー)領域のひとつであり、ガスや塵から新たな星が形成される星形成領域としても知られています。可視光線のフィルター3種類を通して取得された画像を着色・合成して作られたこの画像では、複雑に渦巻くガスと塵の雲だけでなく、星雲の内外で輝く数千個の星々が捉えられています。
この画像は、チリのセロ・トロロ汎米天文台にあるブランコ4m望遠鏡に設置された観測装置「ダークエネルギーカメラ(DECam)」の観測データをもとに作成されました。その名が示すようにダークエネルギー(暗黒エネルギー)の研究を主な目的として開発されたDECamは、満月約14個分の広さ(3平方度)を一度に撮影できる巨大なデジタルカメラのような装置です(画素数約520メガピクセル)。DECamによるダークエネルギー研究のための観測は、2013年から2019年にかけて実施されました。
画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、NGC 6357の中心付近には、推定質量が太陽の100倍にも達する大質量星を含む散開星団「ピスミス24(Pismis 24)」が位置しています。また、星団を取り囲む領域には、高密度のガスや塵に包まれて成長を続ける原始星が数多く存在しています。DECamが鮮やかに捉えた星雲内部の複雑な構造は、星間物質の流れがもたらす激しい圧力、恒星からの放射、そして強力な磁場によって形作られているといいます。
冒頭の画像はDECamの初観測から10周年を迎えたことを記念して、NOIRLabから2022年9月12日付で公開されています。
関連:20万光年先の星形成領域で中心へ向かう星々とガスのらせん運動
Source
Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA; T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) NOIRLab - Dark Energy Camera Captures Bright, Young Stars Blazing Inside Glowing Nebula文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
ペンギンと卵のような相互作用銀河「Arp 142」 ウェッブ宇宙望遠鏡観測開始2周年記念
sorae.jp / 2024年7月16日 21時22分
-
若き星々が照らす星雲の輝き ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した“へび座”の反射星雲
sorae.jp / 2024年7月1日 21時0分
-
まるで天界のように幻想的な光景 ほ座超新星残骸のクローズアップ
sorae.jp / 2024年6月28日 20時56分
-
【宇宙クイズ】ハッブル宇宙望遠鏡は2024年で打ち上げ「〇〇周年」?
sorae.jp / 2024年6月27日 20時2分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“ケンタウルス座”の不規則銀河「NGC 5253」
sorae.jp / 2024年6月25日 21時47分
ランキング
-
1大谷翔平&真美子さんのレッドカーペット中継に… 人気アイドルが「思いっきり映ってる」と話題
Sirabee / 2024年7月18日 15時40分
-
2山手線で妊娠中に気づいた“妊婦キーホルダー”の現実「席を譲ってくれる人は“ほぼ皆無”」
日刊SPA! / 2024年7月20日 15時52分
-
3バストの形まで変わる「ブラジャーのNG行為」5つ!あなたはいくつ当てはまる?
女子SPA! / 2024年7月20日 15時46分
-
4もうメンタルが崩壊しそう…最高月収60万円だった「65歳・元大手金融のサラリーマン」、定年後のハローワークで受けた屈辱
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月15日 7時15分
-
5Q. ノートパソコンが濡れてしまいました。すぐに拭けば、使い続けても大丈夫ですか?
オールアバウト / 2024年7月20日 21時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください