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判断難しい印紙税の金額 国税の通達を参考に具体例を紹介

相談LINE / 2020年8月20日 19時0分

判断難しい印紙税の金額 国税の通達を参考に具体例を紹介

不動産売買の契約書や請負契約に係る契約書など、印紙税が課税される契約書の中には、その記載金額に応じて印紙税の金額が変わるものがあります。ここでいう記載金額とは、原則として契約書に記載される取引金額を意味しますが、中には判断が難しいものがあります。この点、国税の通達に具体例がいくつか記載されていますので、本コラムでいくつか紹介します。

■評価額や時価

「不動産鑑定評価100万円の土地を120万円で売買する」といった場合には、記載金額は実際に取引される120万円となります。同様に、時価100万円の土地、といった場合も同様です。

その一方で、取引金額が未定で、予定金額を明記していたり、最低金額又は最高金額を明記したりしていれば、これらの金額が記載金額とされます。評価額や時価とは異なり、これらの金額は取引される金額の範疇に含まれるからです。

■単価契約の場合

実務でよく出てくるのが、単価契約の取扱いです。単価契約の場合、まず考えるべきは総額を計算できるかどうかです。例えば、月10万円で1年契約の清掃であれば、120万円と総額を計算できます。この場合には、総額の120万円が記載金額になります。なお、更新の手間を減らすため、「1年契約とする。ただし、双方に異論がなければ再度1年更新する」といった形で契約することも多いと思いますが、確実な部分で計算を行うことになりますので、更新後は考えません。

次に、単価のみ定め期間を定めない、といった契約もありますし、売買基本契約のように、単価は決まるものの量を定めるのが難しい契約もあります。このような場合には、総額を計算できないことから、「記載金額がない」として取り扱われます。

■変更契約の場合

その他、原契約を変更する変更契約についても、記載金額が問題になります。このような変更契約も、原契約が印紙税の対象になるのであれば、印紙税が課税されるからです。

変更契約の場合、変更前契約が作られていることが、変更契約で明らかであるかどうかで取扱いが変わります。明らかであれば、増額の場合には増額する差額の金額が記載金額になり、減額の場合には記載金額なしとして取り扱われます。

明らかでない場合には、変更後の金額が原則として記載金額となります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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