駐車場経営は不動産所得と事業所得のどちら?判断要素を税理士が解説!

相談LINE / 2020年9月17日 20時0分

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個人が土地や建物を他人に貸した賃料については、不動産所得として所得税が課税されます。この不動産所得でよく間違えることの一つに、駐車場があります。所得税の通達によると、利用者に車を停めるスペースを提供しているだけで責任がない場合は不動産所得となるものの、駐車場経営をしていて、駐車場経営者が停めている車を管理し、責任を持つ場合は事業所得または雑所得になるとされています。このような相違が生じるのは、不動産所得は原則として不労所得であるものの、管理責任が生じるものは不労所得とは言い難いからです。

■判断要素としては

とは言え、実務でこれらの判断をするとなかなか難しいことも事実です。国税庁の事例を見ると、以下のような要素などから判断するとされています。

(1)駐車場に管理人をおき利用者の出入を規制しているかどうか
(2)一定の区画の土地に塀などをめぐらし、自動車の出入のない夜間などには管理者が通路を遮断する扉に施錠をしているかどうか
(3)不特定多数の人に使用時間の長短、自動車の大きさ等に応じて定めた料金によりその場所を利用させているかどうか

この点、もう少し具体的に見ると、駐車場施設として運営されるコインパーキングや、管理人も常駐することが多い立体駐車場は事業所得又は雑所得とされるのが通例です。一方で。月極駐車場や特に施設も何もない青空駐車場は、原則として不動産所得とされます。

■規模の判断は

ところで、不動産所得は規模によって大きく二つに区分されます。規模が大きいものは事業的規模の不動産所得として所得税の優遇があり、そうでないものは業務的規模の不動産所得とされます。

この規模の判断について、5棟10室基準で判断することが通例です。この基準は、以下のいずれかに該当する不動産の貸付けであれば、事業的規模の不動産所得とするというものです。

(1) 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

この点、駐車場は1室を5台として計算するのが通例とされますので、原則として50台という数字が挙げられます。50台に満たないと規模が小さいとして業務的規模の不動産所得とされ、50台以上であれば事業的規模の不動産所得とされることが通例です。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ 税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。



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