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非上場株式の評価における会社規模の判定方法について税理士が解説

相談LINE / 2020年9月24日 19時0分

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相続税や贈与税の財産評価では、「取引相場のない株式」、すなわち非上場株式の評価が問題になります。非上場株式は相場がありませんので、相続等のタイミングでいくらの価値があるのか、誰も分かりません。ただし、こうなると税金の計算ができませんので、相続税等においては、通達で非上場株式の評価額を決めています。

■会社規模に応じて異なる計算

この非上場株式の評価ですが、最初にやるべきことの一つに、評価対象となる株式の発行会社の会社規模の判定があります。相続税の通達においては、同じ非上場会社であっても、会社規模に応じて異なった計算をすることとされているからです。この会社規模の判定により、評価会社は大会社、中会社、小会社のいずれかに区分されます。更に、中会社は規模に応じて中会社の中で大・中・小に区分されます。

■会社規模の判定方法

会社規模の判定ですが、以下のようなステップで判断します。

(1)従業員数の判定

従業員数が70人以上の場合には、それだけで大会社に該当します。

ここでいう従業員数ですが、正社員以外にも、短時間勤務のアルバイトやパート従業員もカウントに含まれ、代表取締役社長や専務取締役などの役員は含まれないとされます。

なお、継続勤務従業員はそのままカウントすればいいですが、それ以外の短時間勤務の従業員については、1年間の労働時間を合算し、標準的な継続勤務従業員の労働時間である1800時間で割ることで、人数を計算することとされます。

(2) 「総資産価額と従業員数」と「取引金額」の組み合わせによる判定

次に、従業員数が70人未満の場合には、 イとロの基準のいずれか大きい方により判断することになります。

イ 「総資産価額」の基準と「従業員数」の基準のうち、いずれか小さい方の区分
ロ  「取引金額」の基準

総資産価額と従業員数について、従業員数の計算は上記と同様に行い、総資産価額は、原則として会社の純資産ではなく、総資産の帳簿価額を基に判断します。一方、取引金額は簡単に言えば売上金額をいいます。

これらの基準については、業種ごとにどの会社の区分になるかの金額が決まっていますので、その基準に当てはめて会社の規模を判断します。


■総資産価額の判定の注意点

詳細は割愛しますが、非上場株式の評価の関係上、規模が大きい会社の方が有利になることがほとんどです。このため、贈与等で株式を異動させる場合には、あらかじめ基準となる金額を確認の上、できるだけ規模の大きな会社になるように調整することとしましょう。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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