所得税における居住者と非居住者の違いと出国の場合の注意点

相談LINE / 2020年10月8日 19時0分

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所得税においては、居住者と非居住者の区分が重要になります。前者は全世界の所得に対して課税される納税者をいい、原則として国内に住所を有する者がこれに当たります。後者は日本国内に源泉がある所得(日本で働いた給与所得など)についてだけ課税される納税者で、原則として国内に住所を有しない者がこれに当たります。ご覧いただくと分かります通り、ここで重要なのは、国内に住所があるか、その住所の判定です。

■住所の意義

住所とは、その人の生活の中心を意味するといわれます。しかし、これだけではよく分かりませんので、実務では以下の推定規定に基づいて判断するのが通例です。

(1)職業による推定

継続して一年以上居住することを通常必要とする職業の所在地を、住所と推定するというものです。

(2)親族等による推定

日本国籍を有している方で、かつ、国内において生計一の配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らして、国内において継続して一年以上居住するものと推測するに足りる事実があれば、国内に住所があると推定されます。

非居住者の場合は、おおむね上記と真逆の基準に基づいて推定されます。


■出国の場合

実務上、とりわけよく問題になるのは出国の場合です。外国子会社に転籍するために国外転出するなど、現在では仕事の都合で国外に転出することも多くありますが、この場合の判定が問題になります。

結論から申し上げますと、仕事の都合で国外転出する場合には、原則としてその出国後の在留期間が、契約などであらかじめ1年未満であることが明らかか否かが判断基準になります。このため、居住者が国外転出する場合、その期間が1年未満と決まっていれば出国しても原則として非居住者とはならず、そうでなければ非居住者となります。

このため、出国後の期間の予定が決まっているかどうか、決まっていればその期間を確認する必要があります。予定が決まっていない場合や1年未満とされていた場合は、原則巨樹者ですが、出国後に在留期間が1年以上となったタイミングで非居住者になります。

■外国人である非居住者も同じ判定

なお、この判定は非居住者である外国人も同様です。このため、1年未満で日本に入国したり、予定が決まっていなかったりするような場合は、日本に来て1年経つまでは原則として非居住者として取り扱われます。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ 税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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