特別清算における債権者の貸倒れはどうなる?第二会社方式とは?

相談LINE / 2020年10月13日 19時0分

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会社を清算する場合、借金を返済してから清算する必要があるため、債務超過の会社は通常の方法による清算(通常清算)ができないこととなります。このような会社が清算するためには、「特別清算」や破産などを行う必要があります。
この特別清算は、裁判所に申し出て行う清算で、いわば裁判所の監督の下で行う清算です。特別清算については、協定型と和解型の二種類があります。協定型は清算しようとする会社の債権者が協定を行った上で清算する方法であり、和解型は個別に債権者と交渉して個別の和解をもって清算する方法を言います。

■実務上は和解型

実務上、多いのは和解型と言われます。和解型は個別の交渉のため、協定型より迅速で簡易な処理ができることが多いからです。とりわけ、和解型は債権者が少数であれば交渉も早く、特に中小企業の場合は関連会社などの利害関係者からの債務も多いので、この手続きが取られることが多いと言われます。


■債権者の貸倒れは?

一方で、債権者にとっては、特別清算により債権の全部または一部の回収ができないことになりますから、その債権に対する貸倒損失の計上ができるかが問題になります。この点、協定型の場合には法律上の貸倒れに該当することが国税の通達に明記されています。一方で、和解型については明記されていません。しかし、会社を清算する以上は貸倒損失も認められるはず、ということで、協定型の取扱いを準用し、和解型でも実務上貸倒損失の計上が認められると解説されることが通例です。

■第二会社方式とは

話は変わりますが、企業再生の一環として、第二会社方式といわれる方法がとられることがあります。これは、会社分割や事業譲渡で不採算事業を切り分け、不採算事業を残した会社を清算するという方式です。

実務上、この第二会社方式と先に述べた和解型の特別清算を活用して貸倒損失を計上するということが多く見られます。この第二会社方式で特別清算を使うのは、貸倒損失の計上に当たっては、寄附金課税のリスクがあるからです。本来、特別清算に関係なく通常の精算でも、債務者である会社が清算してなくなるのであれば、当然ながら債権回収はできませんが、一定の場合には寄附金として経費性が制限されると解説されています。このような課税リスクを回避するため、敢えて国税の通達に貸倒損失の対象になると明記されている特別清算を使っているのです(以下次回)。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ 税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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