株主優待券の譲渡に係る消費税の処理について税理士が解説

相談LINE / 2021年3月5日 19時0分

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消費税の実務上、処理を誤りやすいものとして、株主優待券が挙げられます。株主に対して交付される株主優待券について、それを譲渡した場合、株主優待券の内容によって非課税になるか、それとも消費税の対象取引である課税になるか、処理が異なることになります。

■非課税となる場合

非課税となる場合には、消費税において、その株主優待券が物品切手等とされる場合を言います。物品切手等とは、いわばビール券などの商品券を意味します。商品券は消費税が非課税、と聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、金券ショップなどにビール券を販売しても、原則として消費税は非課税とされます。

この物品切手等について、消費税の通達において以下の要件を満たす証書とされています。

1 その証書と引換えに、一定の物品の給付若しくは貸付け又は特定の役務の提供が受けられることを約するものであること。

2 その証書と引換えに、物品の給付等を受けたことによって、その料金の全部又は一部の支払が必要にならなくなるものであること。

ビール券であれば、そのビール券と引換えにビールをもらうことができ(上記1の要件)、かつそのビール券により現金支払いが不要になるため(上記2の要件)、物品切手等に該当してそれを売却しても消費税が非課税とされます。

■優待券のほとんどは割引券

一方で、株主優待券のほとんどは料金が減額されるもので、それだけで物品の給付を受けられるようなものではありません。このため、上記1の要件を満たさないことになります。なお、料金は割り引かれますから上記2の要件は満たすことになります。

このため、このような割引券的なものについては、物品切手等に該当しません。非課税以外のものを売却すれば、消費税は課税取引とされます。

■郵便切手の譲渡との異同

上記に関し、よく間違える論点として、郵便切手があります。郵便切手についても、それを売却すれば消費税が非課税と一般的には理解されていますが、正確には郵便局などで売却した場合に非課税になります。このため、金券ショップなどで売却すれば、消費税は課税されますので注意が必要です。

物品切手等、物品切手等以外の株主優待券、郵便切手で取扱いが微妙に異なるため注意が必要です。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ 税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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