法律を知らない人に法律を守れと指導される税務調査の実態
相談LINE / 2014年11月26日 21時30分
税務調査は一般的に、申告納税制度を担保するために設けられている制度と言われています。具体的には、納税者が申告した内容が、法律に照らして問題がないか、後日チェックする仕組みを設けることで、納税者に適正な申告を要請することが税務調査の建前なのです。ただし、この建前は基本的には守られていないと考えます。なぜなら、税務調査に実施する調査官は、基本的にはチェックすべき法律の内容も知らないからです。
■実は法律を知らなくても税務調査は可能
法律を知らない人間に、法律を守れと指導されるという、考えもつかない実態が税務調査にはあるのですが、法律を知らなくても税務調査はできます。というのも、税務調査といっても基本的にはサラリーマンである公務員が行うものですから、非常にマニュアル化されており、どこをチェックするかなど、細かい定めが設けられているからです。
その他、税務調査においてはそれほど複雑な法律の問題はあまり出てきません。出てくるのは、誰の目にも明らかな不正取引、いわゆる脱税の問題が多いからです。申告しなければならない売上をごまかし、簿外口座にプールしていた、となれば、問題があることは明らかですから、法律を解釈する、といった問題はそれほど出てこないことが多いのです。
加えて、難しい法律が絡む問題は、金額等にもよりますが、税務調査官がそれを発見したとしても、積極的に是正させないことも見られます。難しい法律が絡む問題を是正させるとなると、かなりの手間がかかりますし、あくまで税務調査は不正取引を発見することに重点が置かれているためです。
■不正があるかどうかをとにかく重視する税務調査
こういうわけで、不正取引を発見することに税務調査の力点が置かれていることもあり、不正取引を行わなければ税務調査はそれほど怖いものではないのです。このため、不正取引をしてしまい、税務調査でそれが発見されたのであれば、しっかりと反省し、是正しましょう。
反面、不正取引でないものについて、十分な交渉を行わず、安易に妥協することも見られます。こうなると、非常に損な結果になります。
このような場合には、何が問題になるのか、くわしく税務調査官に内容をヒアリングする必要があります。とりわけ、彼らは法律に詳しくありませんので、根拠となる法律がどの法律の第何条に書かれているのか、といった点にまで踏み込んで、正確な指導を求めてください。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
言い間違いです!は通用しない…税務調査で〈重加算税〉を課される“意外なひと言”【税理士の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月23日 11時15分
-
納税者「納得できません」…税務調査後に〈不服申し立て〉ができるケース【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月22日 9時0分
-
個人事業主「まさか領収書を1枚1枚見ることはないよね?」…⇒いいえ、そのまさかです。税務調査官の“目のつけどころ”に驚愕【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月19日 12時0分
-
相続税を払った5人に1人が税務調査を受けている…税理士に依頼しても追徴課税が発生してしまうワケ
プレジデントオンライン / 2024年6月17日 16時15分
-
税務調査で個人営業の居酒屋に〈追徴課税2,000万円〉…「どこからのタレコミですか?」→税務調査官の“誇らしげな回答”【税理士の実体験】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月11日 11時45分
ランキング
-
120年ぶりの新紙幣に期待と困惑 “完全キャッシュレス”に移行の店舗も
日テレNEWS NNN / 2024年7月2日 22時4分
-
2小田急線「都会にある秘境駅」が利用者数の最下位から脱出!超巨大ターミナルから「わずか700m」
乗りものニュース / 2024年7月1日 14時42分
-
3メルカリの「単発バイトアプリ」利用者伸ばす世相 「何が利点なのか」利用者と店舗の声を聞いた
東洋経済オンライン / 2024年7月3日 13時30分
-
4「7月3日の新紙幣発行」で消費活動に一部支障も? 新紙幣関連の詐欺・トラブルにも要注意
東洋経済オンライン / 2024年7月2日 8時30分
-
5「eラーニングの効果がない理由」を人事は“勘違い”している──社員のホンネ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月3日 6時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください