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学校法人理事長も務める弁護士に「いじめや体罰、部活事故など多発する学校問題」の現状を直撃!

相談LINE / 2015年6月8日 20時0分

学校法人理事長も務める弁護士に「いじめや体罰、部活事故など多発する学校問題」の現状を直撃!

先月29日、福岡市内の中学校で、柔道部の練習中に1年生が技を掛けたられた直後に意識を失い、入院後に死亡する事件が発生したが、学校問題は今、大きな社会問題となっている。
教師による体罰、いじめ、学校と保護者のトラブル、学校内で起こる事故、部活動中の事故、モンスターペアレント、生徒による犯罪行為など、トラブルとしての規模は勿論、種類も様々であり、これらに対して学校側としては何らかしらの対策を迫られている。
これに対して、具体的な対応策を打ち出している学校はまだ少ない。しかし、その中でも東京都港区は2007年からこの問題にいち早く取り組み、学校にいわゆる顧問弁護士制度を用いて、事後対応ではなく、トラブル回避のための対応策を強化した。
さて今回は、学校法人追手門学院の理事長を務め、更には弁護士法人の代表でもある川原俊明弁護士に、学校問題の現状と、顧問弁護士の必要性について寄稿して頂いた。

■度々ニュースで見かける学校問題ですが、理事長として、実務上でも増えていると感じますか?

確実に増えています。
個人の権利意識の高揚と核家族化、閉鎖社会が、学校を紛争に巻き込む要因の一つと考えられます。
学内での生徒同士のいじめが、学校の監督責任を問われたり、体操の授業中での生徒のけがを、加害者とされる生徒やその両親に対する賠償責任だけでなく、学校の施設の瑕疵まで指摘されることがあります。
もちろん、学校としては、大切な児童生徒学生を預かる以上、安全対策、管理上の整備に万全を期する必要のあることはいうまでもありません。
ただ、被害者側としては、損害賠償請求の対象を、世間体を気にする学校とする安易な傾向もないわけではありません。その場合、因果関係存否の判断、示談交渉、和解をすべきかどうかの判断など、法的問題は山積しています。

■顧問弁護士といえば企業のイメージが強いのですが、学校にも必要ですか?

学校としては、リスク管理の問題、あるいは、コンプライアンスの問題として、学校をとりまく法的問題を前向きにとらえる必要があります。
事件が発生してから個別の弁護士に相談するのではなく、事件性の兆候が見いだされたら事前に相談し、法的問題点を把握したうえで、適格な対応をすべきです。それが、究極的に学校への信頼を得ることに繋がります。

■学校が顧問弁護士を利用するメリットはなんでしょうか?

予防法学の必要性は、なにも企業に限られたことではありません。むしろ、「人」を扱う学校でこそ、誠実な法的対応が必要です。
しかも、学校で起こる問題は、事故だけではありません。学校が社会の変化に順応するためには、様々な学内規定を変更し、現実に即した組織にする必要があります。学校が社会の教育機関としての役割を果たすためにも、顧問弁護士による法的バックアップをお勧めします。

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