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父が亡くなり会社を継ぐことになった息子がまず使うべき制度とは(松嶋洋)

相談LINE / 2016年4月15日 19時0分

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税務上、みなし配当と言われる制度があります。これは、本来は配当ではないものについて、配当として税金を課税する制度を言います。典型例は、非上場会社に対する自己株式の譲渡です。株主が非上場会社に自己株式を譲渡した場合、本来なら譲渡所得が課税されますが、一部みなし配当に該当し、配当所得として税金が課税されることがあります。

■配当所得と譲渡所得

株式を譲渡した場合、原則としては20%(税率は復興税なしの数字です。以下同じです。)の譲渡所得税がかかります。一方で、配当を受ける場合、最大で55%の税金が課税されます。このため、譲渡所得税として課税される方が、配当所得として課税されるよりも有利になることがあります。

みなし配当として課税される場合も、配当所得として課税されますので、一般的には自分がオーナーである会社に自己株式を譲渡すれば、不利な取扱いを受けることになります。

■みなし配当課税の特例

ところで、オーナーに相続が発生した場合、相続税を納税するために、相続により取得した非上場株式をその発行会社に譲渡することが多く見られます。発行会社以外に譲渡すれば、株式が分散されて経営上大きな問題が生じてしまいますし、そもそも非上場株式はなかなか換金できません。このため、安全かつ手っ取り早く相続税の納税資金を作るために、自分がオーナーを務める会社に、自己株式として譲渡をすることがあります。

先に見た通り、このような譲渡については、みなし配当として高い税金が課税されてしまいます。このような事態を防ぐために、相続により取得した非上場株式のうち、相続税の対象となったものを相続開始から3年10カ月以内にその発行会社に売却した場合には、みなし配当課税が行わず、全額譲渡所得税として税金を課税するという制度が設けられています。この制度が、みなし配当課税の特例なのです。

■手続きを忘れないように

このみなし配当課税の特例の適用を受ける場合には、非上場株式を発行会社に譲渡する時までに、発行会社に所定の届出書を提出する必要があります。加えて、発行会社は、提出を受けた届出書とその他一定の書類を、翌年1月31日までに、税務署に提出する必要があります。

発行会社は相続人がオーナーを務める会社であることがほとんどですから、会社に対する手続きだけでなく、税務署に対する手続きも忘れないよう注意する必要があります。

●執筆:元国税調査官・税理士  松嶋洋  WEBサイト
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。


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