元国税が暴露する「パワハラと隠蔽工作が日常茶飯事だという国税の実体」とは
相談LINE / 2017年9月6日 19時0分
国税の異動時期は、毎年7月10日ですが、その異動に伴い国税庁長官も変わりました。新しい国税庁長官は、資料を廃棄したなどと言って追及を逃れた人物ですので、国民からの強い批判がある方です。仮に税務調査で資料を廃棄しました、などと言えば、隠ぺいに当たり重加算税の対象になり、場合によっては脱税と判断されます。
税務調査先に資料の保存の負担(最大10年)をかけておきながら、トップは何なのだ、と言いたくなりますが、このような隠ぺい工作は国税組織ではよく見られる話でもあり、国民感情とは異なり、当の国税は全く罪悪感をもっていないと考えられます。
■試験問題の前バラシの隠ぺい工作
国税組織では、所定の研修を受け、かつ所定の勤務年数を経過すると、自動的に税理士の資格が与えられる制度が設けられています。この所定の研修ですが、対外的にはかなり難しいと宣伝しているものの、その実態は前バラシの試験です。
この前バラシがばれないよう、国税組織は研修の受講者に強くこの事実について口止めをしています。私事ですが、このような隠ぺい工作はおかしいと研修の受講時に申し上げたところ、次回の人事異動では見事な左遷人事を頂戴しました。
■新国税庁長官はこんな側面も
ところで、新しい国税庁長官は、財務省内部では部下職員に対するパワハラで有名な方のようです。このパワハラについても、国税組織では日常茶飯事に行われています。
国税組織について、先輩職員がよく言っていましたが、国税は徒弟制の世界です。徒弟制、すなわち税務調査スキルという職人芸を教える職人の世界ですから、上司が弟子である部下を厳しく指導しながら一人前にする、という風潮があります。
厳しく指導が行き過ぎるとパワハラにつながる訳で、国税組織の内部ではあからさまなパワハラがかなり行われています。困ったことに、税務署長等の幹部職員は、波風を立てたくないと考えており、パワハラを見て見ぬふりをすることが多々あります。
■ある意味必然と言える
新しい国税庁長官に対し、世間の批判は非常に大きいですが、国税組織にいた身からすると、国税組織の負の部分にマッチした方でもあり、ある意味必然の人事なのかとも考えています。
納税者や、正義感にあふれるごく少数のまじめな国税職員にとっては、百害あって一利なしであることは間違いありませんが…。
■専門家プロフィール
元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。税務調査で望ましい結果を得るための法律論・交渉術に関する無料メルマガを提供中。
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