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ビットコインの譲渡における消費税との税務関係について税理士が解説

相談LINE / 2017年9月20日 19時0分

ビットコインの譲渡における消費税との税務関係について税理士が解説

平成29年度改正により、平成29年7月1日以降に行われるビットコインの譲渡については、土地の譲渡などと同様に、消費税が非課税とされることになりました。従来、ビットコインの消費税については不透明な部分もあったのですが、この改正により平成29年7月1日前のビットコインの譲渡については消費税が課税されることも明確にされていますので、過去の処理も含めて見直しを行う必要があります。

■課税売上割合の計算は特殊

上記の通り、ビットコインの譲渡は現在非課税とされることになったのですが、その際注意したいのは課税売上割合の計算についてです。課税売上割合とは、消費税の課税売上が消費税の課税売上と非課税売上の合計額に占める割合を言い、その割合が小さくなると、消費税の税額控除が制限されるなど不利益が生じます。

ビットコインについても、非課税売上となる以上は取引を行えば行うほど、課税売上割合が小さくなるため不利になるのでは、という見方もありましたが、実際の取扱いは、非課税売上には該当するものの、課税売上割合の計算には影響させないという特殊な取扱いになっています。このため、ビットコインの取引を繰り返し行ったとしても、その購入金額について消費税の控除が受けられないということを除き、消費税の計算上特に不利益はないと考えられます。

■法人税や所得税などの取扱い

ところで、消費税とは異なり、ビットコインに関する法人税や所得税の取扱いは不透明です。あくまでも現状の見解になりますが、法人税については何らかの資産として取り扱い、譲渡損益などを計算するということになると考えられています。

気になるのは、法人税についてはデリバティブ取引等について、決算日において時価評価を行うべきとされていますので、その対象になるかどうかです。この点、明確ではありませんが、特に時価評価をすべき資産にビットコインは挙がっていませんので、その必要はないと考えられます。

所得税についても、同様に資産として取り扱うことになると考えられるため、原則として総合課税の譲渡所得として申告をするとともに、継続性の高い取引と認められる場合には、雑所得か事業所得として申告することになると考えられています。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。税務調査で望ましい結果を得るための法律論・交渉術に関する無料メルマガを提供中。

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